改善と受験、どう違う?
多くの皆様は受験の経験があると思います。
最初に受験とはどんなものか、考えてみます。
まず、満点を取らなければ受からない……ということはありません。たいていは7割も取れば御の字、という感じですから、受験生は100点を取るためのものすごい高度な勉強より、失敗しないよう幅広くまんべんなく取りこぼさないような勉強をします。それからカンニングは絶対に許されません。また始まる時間も終わる時間も厳守です。そしておしゃべりも禁止です。
では、改善は? ですが、7割では勝てません。7割はどこでもやっているレベルで、そこから先の3割をいかに早く実行するかが勝負です。最後の1割ができたら世界レベルへの挑戦になります。
えっ、あの厳しかった受験でも7割でいいのに、改善はそれではだめなんですか! 受験より改善の方が厳しいんですか? と思う方もいるかもしれませんが、そこだけ見るとそうも言えますが、全体を見ると全く違います。
まず改善はカンニングありです。工場見学に行って見たり、本で読んだりして仕入れた他社の情報をそのまま実行してかまいません。マネ大いにありです。そして時間も早く始めたり、あるいはできるまであとちょっとと言って頑張ったりはほめられます。そしておしゃべりは大歓迎です。ぺちゃぺちゃしゃべりながら情報を交換してアイデアを練ってより良いモノを作りましょう。
いかがでしょうか。私は65歳になった今でも時々受験で時間が迫っているのに答えが書けないで焦っている夢を見ます。楽しくなかったので思い出したくもないという感じです(といって夢に見ていますが)。
一方、改善は社会人になって以来、40年以上、進んでやっています。楽しいからです。みんなで励まし合いながら、一歩一歩前進して、その成果を分かち合える楽しさです。
いかがでしょうか? 改善がどんなものか、何となくお分かりいただけましたでしょうか?