改善とは思考錯誤の連続|元トヨタマンの目

改善とは思考錯誤の連続|元トヨタマンの目

①一番初めの異常警報ランプ(あんどん)の位置
(奥まっていて作業者に見えなかった)
改善事例①

②位置変更
(しかしまだまだすべての作業者に分からないと不評だった)
改善事例②

③さらに位置変更&サイレンを追加
(これでやっとすべての作業者に分かるようになった)
改善事例③

 

改善とはこのように思考錯誤の連続である。

まず思いついたらやってみる。

その際、その「質」はまったく問われず、「早さ」のみが問われる。

それで衆目にさらされることになる。

このように「見える化」されなければ、「質」も提案者一人で考えることになる。

しかしこのように「見える化」されれば、多くの人の意見が聞けるようになる。

一人で考えるよりも、多数で考えた方が良いアイデアは出やすい。

また最初に高い質まで含めて改善案を考えて、それを具現化してしまうと、初めから高い投資額となる。

高い投資をしてしまうと、そのあとではなかなかその修正がしにくくなってしまう。

これは韓国での事例だが、韓国人はこのあたりの改善のポイントがすでに備わっているような気がする。

問題は中国だ。
中国では、人事評価上で失敗の減点が大きいのか、失敗をすごく恐れ、完璧を求めようとする。

したがって、何か指示しても、その人は100点を求めようとするため、時間はかかるし、持ってきてくれた物はすでに投資されてしまっている場合が多く、修正が効かない。


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。