改善で変化のスピードを全社的に上げる KZ法【最終回】
これまでざっとではありますが、KZ法の進め方やその経営上での効果についてご説明してきました。
今回でKZ法の説明はおしまいです。
KZ法の一番の本質は関係者が現場現物を前に集まり、問題を発見し明確にし、トップが改善を促す「知のすり合わせ」の方法です。
それを使って組織のなかにある壁を取り去り全社最適に向けて大局観を共有するのです。
会社は普通みんなで手分けをして仕事をします。
営業が注文を取り、設計が設計し、調達が仕入れ、技術がラインを用意して管理の指示で製造が作り、できた商品を出荷して代金回収するという流れです。
会社の仕事を一人ですべてやることはとてもできないし、できても間に合いません。
つまり、日常の仕事においてはこれが一番いいやり方です。
そしてそれぞれの担当者は同じ仕事を繰り返しやっていますから習熟しておりプロフェッショナルです。
しかしその人たちは自分の仕事についてはプロですが、その他の人たちの仕事についてはほとんど知らない、極めて偏ったプロであることが多いのです。
ですから会社を大きく変える必要が出たときにみんなが集まっても、自分のことしか知らない人たちばかりだと全体の議論が全くできないということになりかねません。
ではどうするか?!
その答えがKZ法なのです。
どんな小さなモノであってもそれには営業、設計、調達、技術、製造、管理をはじめとするすべての部門の人がかかわっています。
そしてその人たちが現場にある問題のある現物を前にそれぞれの人のかかわりや問題を語り合うことを通じて全員でそのモノの流れを共有化することができます。
そして全員でワイワイガヤガヤの議論をすると全体を意識した全社最適の議論ができ改善案が出るのです。
そして気が付くと組織の間にあった大きな壁が取り去られ一緒にチエ出しが始まります。
KZ法についてのご説明は今回が最終回です。
次回から「チョコ案」についてお話を始めます。
KZ法については本が出ています。