愛知県豊田市、開放特許を活用した製品開発の推進

愛知県豊田市、開放特許を活用した製品開発の推進

愛知県豊田市の開放特許活用の取り組み

豊田市は、開放特許活用による新製品開発支援事業に取り組んでいます。

昨年度は、市内の2つの中小企業が特許権者と契約を締結し、開放特許の活用として新製品の開発に取り組むきっかけを作りました。

同事業は、発明plusを運営するコスモス特許事務所が受託して推進しています。

商品開発のイメージ by PIXTA

知財ビジネスマッチングセミナー

2018年9月5日に知財ビジネスマッチングセミナーを開催しました。

 

事業者が気に入る開放特許に出会えるのかどうかは運やタイミングに左右されるところもあります。

3万件以上もあると言われる開放特許の中から使いたいと思えるものに出会えるのは、人との出会いと同じように奇跡的なものなのかもしれません。

私たちは技術を使った新製品を開発したいという事業者と、優れた技術について特許をもつ特許権者との出会いをお手伝いする知財ビジネスマッチングセミナーを開催しています。

参加する事業者のバックグラウンドや要望にあった特許技術を紹介し、その特許の所有者と対話する機会を提供するようにしています。

開放特許とクラウドファンディグ

本年度は開放特許を活用した製品開発についてクラウドファンディングの活用を提案しています。

インターネット上で主に個人からの投資を募集するクラウドファンディングでは、資金調達の手段としてだけではなく消費者の要望や反応を調査するマーケティングの機能も見込め、新製品の開発には有力なツールとなっています。

 

開放特許を活用した新製品は、特許権の効力によって市場にない新しいものとなります。

その斬新さは目を引くものですが、反面、市場性や収益性などの見通しは中小の事業者には難しい場合があります。

そこでクラウドファンディングで消費者の反応をみることで、市場に投入する価値のある製品か否かを調査できるようになり、製品開発に挑戦しやすくなります。

 

開放特許の活用とクラウドファンディングは親和性が高いように思います。

発明plusでは、これからも様々なツールを組み合わせた開放特許活用の方法を提案していきます。


弁理士。コスモス国際特許商標事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。知的財産権の取得業務だけでなく知的財産権を活用した製品作りの商品開発コンサルタントを行う。知財マッチングを展開し、ものづくり企業の地方創世の救世主として活躍している。著書に『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)、『理系のための特許法』(中央経済社)等がある。 特許・商標の活用を応援するWEBマガジン「発明plus Web」( https://hatsumei-plus.jp/ )を運営している。