意匠権申請中、公開は1年後 姫路工生の受賞作品 【知財ニュース拾い読み...

意匠権申請中、公開は1年後 姫路工生の受賞作品 【知財ニュース拾い読み】

神戸新聞 – 2017/2/7 – https://www.kobe-np.co.jp/news/himeji/201702/0009893894.shtml

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記事では、本年度のデザインパテントコンテスト(特許庁主催)で優秀賞に選ばれた兵庫県立姫路工業高等学校の生徒を取材した模様が紹介されています。

受賞作品を拝見したいところですが、現在、意匠登録の手続中のため、公開されていません。

意匠とは物品(商品)の形態、すなわち、外観のデザインのことです。意匠権についても、取得には特許権と同様に新規性が必要です。

 

意匠は外観ものである以上、商品の写真や図面が公開されてしまった場合、ただちに公知(新規性を失った状態)となってしまいます。そして、公知になってしまえば、そのデザインについては、原則、意匠登録を受けることができません。

また、意匠は特許等に比べれば模倣が容易ですので、真似された商品を先に販売されるリスクも高くなるでしょう。

よって、意匠登録を視野にいれたデザインについては、商品のプレスリリースや販売開始の検討と合わせて、早めに意匠登録出願を済ませておくことが大切です。

 

出典:『意匠権申請中、公開は1年後 姫路工生の受賞作品 【知財ニュース拾い読み】』(『発明plus〔旧:開発NEXT〕)


弁理士。コスモス国際特許商標事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。知的財産権の取得業務だけでなく知的財産権を活用した製品作りの商品開発コンサルタントを行う。知財マッチングを展開し、ものづくり企業の地方創世の救世主として活躍している。著書に『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)、『理系のための特許法』(中央経済社)等がある。 特許・商標の活用を応援するWEBマガジン「発明plus Web」( https://hatsumei-plus.jp/ )を運営している。