恐るべし韓国企業|元トヨタマンの目

恐るべし韓国企業|元トヨタマンの目

今週は1週間韓国だ。

この企業とはすでに1年半のお付き合いになる。

この企業はTPS改善事務局が非常にしっかりしており、現場の改善実施も確実に行われている。

私の仕事は、その改善内容の報告を受けて講評し、方向性を明確に示すことだ。

月曜日から木曜日まで4日間すべての製造部から報告を受けて現場を見る。

そして金曜日に役員も同席して、すべての部課長に私が講評をする。

そして晴れて日本へ帰れる。

 

結局、最終日にプレゼンをしなければならないのだから、月曜日から木曜日まで毎日夜はホテルでプレゼンの資料を作らなければならない。

その日の分は、その日のうちにまとめなければ忘れてしまう。

したがって、韓国でのこの1週間は「地獄」の1週間だといえる。

しかし月日がたつに従って、改善内容が非常によくなってくるのが分かる。

発表をする部課長たちの目が「こんなにやっだんだよ。青木さん聞いてくれよ」ということを語っていることが分かり、こちらもつい気合が入ってしまう。

現在のレベルで、すでに韓国では一番のTPS習得企業だと私は思っているし、彼らもそう言っていた。

このペースで改善を進めて行けば、そう遠くない将来に、この業界では日本企業を追い抜けるのではないかと思っている。

毎回帰国する金曜日の夜のインチョン→名古屋便に乗った時の、ホッとした気持ちと充実感は筆舌に尽くし難い。


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。