工場新設・増設情報 6月第4週 デンソー、富士フイルム、昭和電工、アサヒグループHD
【国内】
▶︎デンソー
自動車の電動化領域の開発と生産体制の強化を目的に、安城製作所内(愛知県安城市)に「電動開発センター」を開設、6月5日に開所式を行った。
同センターでは、先行・量産開発、車両やシステムの試験などを行う開発棟、信頼性試験を行う耐久棟、開発した製品の走行試験を行う屋外試験路、量産ラインの立ち上げを行うための工場を機能的に配置。先行開発から量産ラインの立ち上げ・安定化までを一貫して行うことで、電動化領域の製品開発を加速するとしている。
電動開発センター
【海外】
▶︎富士フイルム
バイオ医薬品の開発・製造受託事業の拡大を加速させるため、FUJIFILM Diosynth Biotechnologiesのデンマーク拠点に、約1000億円を投資し、原薬製造設備の増設や新棟を建設し製剤製造ラインの新設など、バイオ医薬品製造設備を大幅に増強する。
増強した設備は2022年から2023年にかけて順次稼働させ、同拠点にて原薬から製剤・包装までワンサイト・ワンストップで製造受託が行える体制を構築する。
着工は20年6月、稼働時期は、原薬製造ラインが23年秋、製剤製造ラインが23年夏、包装ラインが22年春を予定。
▶︎昭和電工
中国での機能性樹脂事業の拡大を図るため、昭和電工グループの中国法人・上海昭和高分子において、ビニルエステル樹脂(VE)、合成樹脂エマルジョン(EM)の生産ラインの増設を実施、生産を開始した。
液晶ディスプレイやタッチパネルなどの電子材料市場の拡大に伴い、これらの部材の生産に使用されるVEの中国国内の需要が急速に拡大している。さらに、火力発電所の排煙脱硫装置、電子材料工場の排水処理設備、ごみ処理設備や化学品貯蔵タンク等の腐食防止内面ライニング用としても需要拡大が続いている。そのため、VE・EMともに生産能力を約2倍に引き上げる増設工事を実施した。
上海昭和高分子(SSHP)外観
▶︎アサヒグループホールディングス
イタリアでのビール製造を担うアサヒグループホールディングス傘下のBirra Peroni社は、同社のローマ工場の増設、製造設備の強化を行い、2020年6月上旬から「アサヒスーパードライ」(缶容器・瓶容器)の生産を開始した。
合計約10億円を投資し、装置機器の新設や過貯めタンクの増設等、製造設備を強化。現在、同社パドヴァ工場(イタリア・ヴェネト州)でスーパードライを製造、欧州各国向けに販売しており、今回のローマ工場での生産開始によって、欧州のスーパードライ全てを現地で製造する。