工場新設・増設情報 11月第2週 キオクシア、エイチワン、住友重機械、トプコン、東洋合成工業、愛知電機
【国内】
▶︎キオクシア
三重県の四日市工場に第7製造棟(Y7棟)を建設する。米国ウエスタンデジタル社と製造棟の運営で協力し、Y7棟における共同投資を今後進めていく。
近年の技術革新による膨大なデジタルデータの作成や蓄積、活用の加速に加え、クラウドサービス、5G、IoT、AI、自動運転などの普及により、今後もフラッシュメモリ市場は中長期的な拡大が見込まれている。Y7棟は、最先端フラッシュメモリ製品を生産することでこうした需要拡大に対応する。市場動向を見ながら生産を最適化するため、2期に分けて建設を行い、今回は第1期分を建設する。
着工は2021年春、竣工は22年春を予定。
▶︎トプコン
光学部品の生産能力増強のため、100%子会社のトプコンオプトネクサスの新工場(福島県田村市)を建設、10月22日に竣工した。
トプコンオプトネクサスは、”Made in Japan”にこだわり高品質な光学部品を提供しており、トプコンの基幹光学部品の製造のほか、さまざまな精密機器メーカーからも光学部品の生産委託を受けている。新工場では、光学部品・光学ユニットの製造、販売を行っていく。
延床面積は約6600平方メートル(1階建て)。
▶︎エイチワン
大分県豊後高田市に工場を新設する。現在、同県中津市にある中津工場から九州の顧客へ自動車骨格部品を納入しているが、九州地区における事業の拡大や生産性向上、物流効率向上を図るため、今回、プレスおよび溶接ラインを備えた工場を新設する。中津工場は新工場へ移管が完了次第、閉鎖する。
延床面積は約8200平方メートル(一部2階建て)、着工は2021年2月、竣工は同年11月を予定。投資金額は約29億円。
▶︎住友重機械工業
住友重機械イオンテクノロジーのイオン注入装置の新工場建設を決定した。
世界の半導体市場規模は今後も堅調に伸びると見込まれており、中でもイオン注入装置の主要マーケットであるイメージセンサーは、スマートフォン、電気自動車・自動運転などの需要を追い風に当面は高い成長率を維持すると予想されている。
新工場は、愛媛県西条市にある既設の工場に隣接した場所に建設し、生産能力は既存設備と合わせて現状の2倍になる予定。
延床面積は3万5692平方メートル、着工は2021年3月、竣工は22年7月を予定。投資総額は約110億円。
▶︎東洋合成工業
千葉県香取郡にある千葉工場敷地内に建設していた第4感光材工場が竣工した。
千葉工場では、半導体、ディスプレイの製造に使用されるフォトレジストの主原料となる感光材や周辺材料を主に生産している。今回、世界規模の需要拡大に対応するため新工場を建設。感光材の生産能力は、2018年3月期比で約30%増となる見込み。
延床面積は約5000平方メートル、投資額は約70億円。
【海外】
▶︎愛知電機
中国子会社の蘇州愛知高斯電機が建設を進めていた新工場(江蘇省)が10月28日に竣工し、稼働を開始した。
次世代自動車の普及拡大を背景に、車載用ハーメティックモータの需要は今後ますます拡大が見込まれていることから、新工場は、車載用ハーメティックモータの生産能力増強を目的としている。現工場の近隣に新設し、モータコアの打抜き工程を内製化して、モータ完成品の組立てまでの一貫生産を行っていく。生産能力は現工場の2倍となる年間600万台の予定。
延床面積は1万9190平方メートル、投資額は45億円。