富士通とVMware、次世代自動車向けIoTで協業 ECUソフト管理・更新など
富士通と米・VMware, Inc.(米国カリフォルニア州パロアルト、 CEO:パット ゲルシンガー)は、自動車業界向けIoTソリューションの提供で戦略的協業することを発表した。
富士通の無線通信を使用してソフトウェアのダウンロードや更新を行うOTA(Over The Air) リプログラミングソリューションに、VMwareの IoTソリューションを組み合わせて提供し、自動車メーカーやパートナー企業に対し、今後のコネクテッド・カーや自律走行に向けた堅牢なソリューションを提供する。
自動運転など自動車の進化にともない、自動車部品を制御する電子制御ユニット(ECU)の数が増加し、そのソフトウェアも高度化し管理が難しくなってきている。今後はさらにそれが進むことは確実であり、自動車メーカーは、ECUのソフトウェアを必要に応じて迅速かつ容易に更新することが求められるなど、ソフトウェアのバージョンを自動車ごとに個別に管理、および監視することが不可欠となっている。
それに対し、富士通は、VMwareの IoTソリューションを富士通のOTA リプログラミングソリューションに組み込むことによって、自動車メーカーの信頼性要求を満たすワンストップクラウドサービスを提供する。
富士通
- 今後、コネクテッド・カーの普及に伴い、より高度化するECUソフトウェアを効率的に管理および更新するために、差分更新技術を適用したクラウド連携のOTAリプログラミングソリューションを提供
- 携帯電話やスマートフォンなどの開発を通じて培ったヒューマン・セントリックなセキュリティ技術を、自動車設計開発から組み立て工場、さらにはユーザーガレージまで、自動車のライフサイクル全般に適用する
VMware
- VMwareのIoT ソリューションは、富士通のOTA リプログラミングソリューションと組み合わせることで、車両内のすべてのデバイスに対して、自動車メーカーが必要なときに無線通信を用いたソフトウェアアップデート機能を迅速に提供することができる
- VMwareのIoTソリューションは、コネクテッド・カーのためのサービスと高度なセキュリティ技術の迅速なグローバル展開を実現する。
協業に対する両社のコメント
富士通 執行役員 菊田 志向氏
富士通は2006年からVMware社と協業を継続しておりますが、このたびMobility IoT分野に協業範囲を拡大することを嬉しく思います。
富士通がこれまでモバイル分野で培ってきたセキュアで効率的なOTAリプログラミング技術にVMware社の IoTソリューションを組み込むことで、コネクテッド・カー時代のOTA基盤をグローバルに標準展開していきます。
VMware, Inc. IoT部門担当副社長 Mimi Spier氏
コネクテッド・カー分野は急速に成長しており、自動車メーカーがドライバーに対してこれまでにない快適な使用感を提供するためには、革新的で高度化された技術が重要な役割を果たします。
このたびのVMwareと富士通との協業は、コネクテッド・カーに対するソフトウェアのアップデートを安全にシームレスな方法で容易、かつ迅速に展開することが可能となるため、自動車メーカーにとって大きなメリットになると考えています。
(参考)
VMware(本社:カリフォルニア州パロアルト)は、クラウド インフラおよびビジネス モビリティの分野で世界をリードし、顧客のデジタル トランスフォーメーションを加速させている。
Cross-Cloud Architecture™やデータセンタ、やモビリティ、セキュリティのソリューション提供を通じて、顧客企業がビジネスやIT対してSoftware-Definedの手法を活用できるように支援している。
全世界で50万社を超える顧客、および7万5,000社を超えるパートナーを有し、2016年度の売上高は、70億9,000万米ドルに上る。