富士経済、FAロボット用減速機の需給ひっ迫、2025年には2.2倍に
富士経済は、FAロボットの需要の急増に伴い、ロボットの重要な構成部品である減速機の世界市場を調査、見通しをまとめた。
人手不足や製品品質の安定化などを目的に自動化のニーズは増加を続け、FAロボットの需要は急増している。それを受けて、減速機(特に波動歯車式)の需給がひっ迫。大規模ユーザーのロボット導入が遅延するケースも出てきている。
FAロボットの需要は今後さらに増加するとみられ、主要減速機メーカーの増産や、新規メーカーの参入による市場活性化などで、減速機の需給問題の解消と減速機市場の拡大が期待される。
▲FAロボット用減速機の世界市場
FAロボット用減速機の市場は、17年は前年比29.9%増の870億円だった。18年は供給がやや追いついていないものの中国を中心に需要が伸び、前年比17.2%増の1020億円が見込まれる。
今後もFAロボットの需要増加が続くとみられ、減速機の市場は中国を含むアジアや日本を中心に拡大し、25年には17年比2.2倍の1900億円が予想される。
市場は日本メーカーを中心に、中国、インドなどの新規メーカーも参入している。数社の寡占状態から新規メーカーの参入による市場活性化、競争原理が働くことによって、納期問題の解消が期待される。
また、新規メーカーの製品ラインアップの拡充が進めば、既存メーカーとの競合が激化し価格競争が進むとみられ、特に中国やベトナム向けの廉価版ロボットでは、新規メーカーが提供する低価格を売りとした減速機の採用が進む可能性がある。