安川電機、ロボット導入を容易にする新機能 動作軌道を自動生成し、作業者の負担軽減
安川電機は、ロボットを簡単に生産ラインに導入するための「Easy to Use」の取り組みとして、ロボットの動作軌道を当社のロボットシミュレータ「MotoSimEG-VRC」上で自動生成するパスプランニング(Path Planning)機能を開発した。ティーチング作業の一部を自動化し、作業者の負担を軽減させ、迅速かつ効率的な生産システムのセットアップや段取り替えが可能になる。
近年、ニーズの多様化やITの進化により、変種変量の生産を短納期で実現することが製造業全体の課題となり、生産システムのセットアップや段取り替えに要する時間の短縮化、およびそれを支えるIoTや知能化などの高度な技術が求められている。特に産業用ロボットでは「ティーチング」と呼ばれるロボットに動作を教える作業がユーザーにとって大きな負担となることがあり、ロボット導入障壁の1つとなっていた。バスプランニング機能によりロボットの動作軌道を自動生成することができ、このような課題を解決できる。
同社はパスプランニング機能の適用としてバイオメディカルロボットシステムや部品配膳システムなどを見込んでおり、これらの機能をさらに進化させ、様々な産業分野の用途に適用しながら自動化を推進していく。
■機能の特徴
(1)ティーチングレス
ロボットシミュレータ「MotoSimEG-VRC」上で動作開始姿勢と終了姿勢、および動作 生成条件を入力することで周辺障害物を回避した軌道を自動生成。ティーチング時間を大幅に削減可能。
(2)安心プレイバック
生成された軌道は当社のロボットプログラミング言語で動作するため、高速・高精度なプレイ バックが可能。また、障害物との干渉回避のみならず、障害物との間に任意のクリアランス(空間)を保障しながらタクトタイムの短い動作を高速に生成。このため、シミュレーション環境と実際の環境に誤差があっても安心してプレイバックできる。
(3)液体を入れた容器も搬送可能
把持した対象物の姿勢を一定に維持した軌道の生成が可能なため、液体を入れた容器を搬送する際などにも活用できる。
(4)双腕ロボットにも対応
ティーチングが難しい双腕ロボットでも、左右のアームがぶつからないような軌道を簡単に生成することができる。