宇宙航行向けのイメージセンサ

宇宙航行向けのイメージセンサ

地球上では自分の位置と方向を知ることは簡単であり、特にGPSシステムを使用すれば、数メートルの誤差で自分の位置を特定できます。

しかし、宇宙ではどうでしょうか? 地球の軌道を回る衛星は、どのように位置を知るのでしょうか? また、別の衛星に向かう宇宙船は、正しい方向に進んでいることをどのように知るのでしょうか?

実際の答えは、星にあります。

 

航行に星を使用するアイディアは非常に古く、ホメーロスのオデッセイの時代まで遡ります。

オデッセイは、航行中に「熊(大熊座)の左側」に位置するように指示されました。

船乗り達は、外洋を航海するために何世紀にも亘り六分儀(水平線に対する夜空の星の角度を測定)を使用しており、今でも夜空を見上げることは、北を特定する最も簡単な方法です。

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衛星と宇宙船は、自分の位置と方向を判断するために同じことを行います。

スタートラッカーと呼ばれる装置を使用してスターフィールドの画像を捕捉し、そのパターンと強度をデータベースと比較します。

ソフトウェアは、位置するパターンを検索し、衛星や探査機が正しい方向に進んでいるか否かを航行システムへ伝えます。

 

おそらく、スタートラッカーで使用されているSTAR250、STAR1000、HAS2デバイスなど当社のイメージ・センサの仕様は、特段に優れているわけではなく、これらデバイスで捕捉できる最高解像度は、わずか1メガピクセルです。

しかし、本当に他を凌ぐのは、この種のアプリケーションで欠かせない放射線の損傷から保護するための設計です。

放射線は、「ホット」ピクセル(常に明るく照射しているように見えます)を誘導することにより、撮像アレイを損傷させることがあり、スタートラッカーは、星図でミスマッチを生じる(さらに宇宙船が失われる)ことがあります。

 

STARおよびHASイメージ・センサには、放射線の「影響を受けない」特別な設計アーキテクチャが組み込まれており、宇宙の厳しい放射線環境から保護することにより、これらデバイスの期待寿命を大幅に延ばします。

オン・セミコンダクタは、2000年初頭より、スタートラッカーで使用されるイメージ・センサを供給しており、現在、当社のSTARおよびHAS2デバイスは、世界中で開発・発射される宇宙飛行ミッションで幅広く使用されています。

新しい地上ベースの通信およびマッピング衛星の開発が続く中、これら放射線の影響を受けないイメージ・センサのビジネスチャンスは拡大しており、当社は、今後長年に亘り、これらデバイスを供給およびサポートできる準備が整っています。

 

地球、太陽系、宇宙に関する新しい秘密を明らかにする宇宙の画像を見て驚いたら、それを可能にする星の画像を忘れないでください。

これにより探査機や衛星が宇宙で失われることがありません。

出典:『宇宙航行向けのイメージセンサ』オン・セミコンダクター


アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。