多摩川精機、IMU新製品TAG320を発売 低価格普及モデルと高精度モデルの2種類
この記事の内容をまとめると…
- IMU(慣性計測装置※1)の新製品「TAG320」の発売
- 「普及モデル」と「高精度モデル」の2種類の発売
- 従来モデルTAG310と比較し、普及モデルでは精度は同等のまま低価格を実現し、高精度モデルでは価格は同等のままさらなる高精度を実現
多摩川精機株式会社および多摩川精機販売株式会社は、動く物体の姿勢や位置などを計測でき、自動運転や無人の建設・農業機械などに使われるIMU(慣性計測装置※1)の新製品「TAG320」を発売した。
TAG320詳細
2025年8月25日、多摩川精機株式会社および多摩川精機販売株式会社は、IMUの新製品「TAG320」を発売した。
IMUの内蔵センサーを刷新することで、従来モデルと外観・サイズは同じながら、低価格を実現した「普及モデル」と、より精度を高めた「高精度モデル」の2種類を発売した。高まる需要や幅広いニーズに対応し、IMUの活用を通じた豊かで快適な暮らしを支える。
IMUはさまざまな移動体の挙動や姿勢、方位の計測だけでなく、自動運転における姿勢制御にも欠かせないセンサーユニットである。建設・農業機械の自動化やICT化、無人搬送車やロボットなど幅広い分野で活用が進み、業務の効率化や省人化、安全性の向上などに寄与している※2。
当社は引き続き、IMUをもっと手軽に、もっと身近に、さまざまな用途で活用してもらうことを期待し、さらなる品質改善や新製品の開発に取り組むとともに、IMUの知識や技術の普及・啓発活動を進めていく※3。
〇普及モデル……精度は同等ながら、さらなる低価格を実現
〇高精度モデル……価格は同等ながら、さらなる高精度を実現
※1:IMU(慣性計測装置)
物体の動きを計測するためのジャイロセンサーユニットである。3軸のジャイロセンサー(角速度センサー)と3軸の加速度センサーを搭載しており、それぞれのセンサーから得られるデータを用いて物体の姿勢や位置、速度などを計測する。当社はMEMSジャイロや光ファイバジャイロなど、用途に応じた多彩な製品を取り揃えている。
どのように活用する?
※2:期待される主な活用分野
・建機のICT化→作業の自動化、省人化、高精度化が図られ、熟練オペレーター不足を解消
・農機の自動化→農作業の省力化や効率向上が図られ、労働力不足を解消
・自動運転の普及→運送業や公共交通の運転手不足の解消や交通弱者の移動手段の確保
・無人搬送車→省人化が図られ、コストの削減や作業効率の改善、安全性の向上
・ADAS(先進運転支援システム)→運転者の負担軽減、交通事故のリスク低減
仕様・スペック
| 外形 | 83×47.9×20 mm |
|---|---|
| 重量 | 約50 g |
その他
◎開発の経緯
2024年7月、顧客からのニーズを基に製品の検討を始め、2025年初めに開発に着手。6月にサンプルが完成し、受注を開始した。
◎販売目標
生産数は、2028年に現状(TAG310)の3倍、2030年以降は5倍以上を目標としている。まずは国内市場を中心にセールスを進め、今後は海外への販売も視野に入れていく。
◎開発・製造体制
八戸第二工場(青森県八戸市)のスペーストロニックス研究所で設計・開発し、同工場で製造している。
◎展示会など今後に向けて
今年12月に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「2025国際ロボット展」に出展し、製品を紹介する予定である。また、顧客からのカスタマイズ要望にも柔軟に対応することで、顧客の製品開発がスムーズに進むよう支援していく。
※3:IMUをもっと手軽に、もっと身近に活用してもらうための取り組み
多摩川精機株式会社は、IMUの知識や技術の普及促進を狙いとしたセミナーとして「MEMSモーションコントロール研究会」を2014年から開催しており、今年6月13日(金)に第50回の節目を迎えた。IMUの開発、製造拠点は青森県八戸市にあり、同研究会も当地を主会場に開催している。製造メーカーの関係者をはじめ、多くのお客様にIMUを正しく理解してもらい、さまざまな用途で役立てていただければと考えている。
会社名 多摩川精機株式会社(TAMAGAWA SEIKI CO., LTD.)
代表 代表取締役社長 松尾 忠則
本社 〒395-8515 長野県飯田市大休1879番地
創立 1938年(昭和13年)3月3日
URL https://www.tamagawa-seiki.co.jp
広報宣伝部
担当 満沢、平林
TEL(0265)21-1811