変化のスピードを上げる KZ法【5】
先回で400枚のカードが貼り終わりました。
3時間で終わるというKZ法ですから、多くの人はこのカードが貼られた様子をカメラで撮って後で分析するんだろうと思うのですが、全く違います。
これらのカードが貼られたモノをすべてラインの外に運搬します。
えっ、3時間後に仕事を始めるんだったらまた全部元に戻すんでしょ! だったら運ぶだけムダではないですか? と聞かれます。
しかしカードを貼っただけでは分からないことが移動するとたくさん見えてくるのです。
ですからみんなで運び出します。
移動する場所ですが、現場の近くの広い場所に「不要品」「不急品」「必要品」の3つの場所を用意して、その3か所に分類して置きます。
「不要品」は基本的には仕事で使わないゴミのようなモノです。
錆びていたり壊れているモノや、型が古くてもう使えない部品とか……いろいろあると思います。
「不急品」はひと月以内には使わないけれど、それ以降には使うというものです。
金型などに多いですね。
あるいはロットサイズが大きいのでひと月以内に使い終わらないようなモノもここに分類です。
「必要品」とは、要るものであるのに何か問題があって貼られたということでしょう。
こういう置き方だと検査前か検査済かが分からないとか、あるいはこんなに大きな入れ物だと重くて危険とかです。
実際に作業をしてみると、カードを貼る作業は正確性などをあまり考えなくていいので簡単にできるのですが、この分類は少し苦労します。
それは「不要品」か「不急品」かの区別がつかないことが多いからです。
迷ったときにその答えをそこの現場の人に求めると、返ってくる答えは決まっています。
「私はそれを全く使ったことがないので要らないのですが、多分、他の人が使うと思うので後で調べますから、不急品に分類しておいてください……」というものです。
これをどうするか……は次回にご説明いたします。