変化のスピードを上げる KZ法【4】

変化のスピードを上げる KZ法【4】

先回のKZ法では、笑顔でおしゃべりしながら貼るというところで終わりました。

笑顔でおしゃべりは楽しいのですが、一つだけプレッシャーをかけます。

それはすべてはりきってもらうことです。

 

「張り切っていきましょう!」の“はりきる”ではなく、「20枚のすべてを一枚残らず貼りきる」のはりきるです。

「厳しい時代ですから、皆さんなるべくたくさんのカードを貼ってくださいね」と言ってしまうと半分くらいしか貼れません。

「一枚残らずすべて貼れ! 貼り残したら今日は家に帰さない!!」

 

こう言うことによって、参加者全員が隅から隅まで目を皿のようにして現場を見るのです。

ただ「正確に間違いなく」貼ろうとするとそれは難しいです。

何でもありの緩いルールですから「一カ月以内と思って貼ったたけど27日目に使われたらどうしよう……」などと心配する必要は全くありません。

 

アバウトに貼ります。

だから絶対20枚すべてが貼れるのです。

もし先に貼り終わった方はまだ貼り終えていない人を手伝ってあげてもかまいません。

 

この活動は正確性とか論理性を前提としません。

少しくらい間違っても全く問題ありませんし、むしろそういったアバウトな勢いがあった方がその後でいい結果が出るようですのでビクビクしないでバンバン進めます。

ですから、もし誰かが間違った理由でカードを貼ってしまっても、そのカードははがさずそのまま残します。

 

間違いであったとしてもその後のセッションで素晴らしい発見に結び付くことが多いからです。

これは口を使わない手足を使う “ブレーンストーミング” なのです。

 

▼カードだらけになった職場
スクリーンショット 2017-03-29 18.13.05

screencapture-kakiuchikaizen-archives-203-1490779017184のコピー

◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。