固定振れ止め修理
こんにちは
ここ数日で夏が過ぎたような感じです。
なんか寂しくなります。(夏は弱いのに)
さて、仕事の話です。
先日、私の不注意でブリョ(固定振れ止め)を
壊してしまいました。
(怪我)や(機械・チャック)へのダメージが
なかったのが不幸中の幸いです。
SUS329J1 ピーリング材 φ115x760mm(60Kgほど)の
軸物を550rpmで回してましたから。
材料が定尺の端っこで、
きっちりとチャッキング出来てなくて、
ブリョの芯を出している時に、
チャックから飛び出してしまいました。
外径がテーパー状になっていてチャックの爪に
少ししか当たっていませんでした。
爪の先端のみでチャッキングした状態です。
一度、低回転で様子を見たときは、
振れていなかったので、
「良し」と判断したのが軽率でした。
ワークはチャックから外れて宙に舞い、
旋盤の上で一回転してベットに少し当たって、
私の足元に落ちました。ブリョ(固定振れ止め)は、
ねじ切られました。
下の画像のように割れてしまいました。
よく使う道具ですので、即機械屋さんに電話しましたが、
新品はとっくに製造中止で中古もないとのことで、
修理することにしたのですが、どの方法で修理するか
だいぶ迷いました。いろいろな方法が考えられますので。
悩んでる中、来社頂いた方の
「だめもとで溶接してみれば」
との助言を頂き、近くの溶接屋さんに無理を言って
溶接してもらいました。開先を溶接屋さんの
指示どうりに取り溶接して貰いました。
下の画像です。
これからが一苦労でした。
溶接の肉をRで取り、組み合わさった時に左右のずれや
傾きを最小限になるように爪のような、
はまり込み部の左右を慎重に削って行きました。
溶接の肉はRで残した方が強度的に強いので
そのようにセーパーで加工しました。
この段取りに相当時間が掛かりました。
同時に爪の横も倒れを見越して削りました。
削り代は勘です。
組んだ時左右のずれや傾きを最小限にし、なおかつはまり込みの
ガタを最小限に持っていくのが理想です。
相手側はこのような形状でしたので、
こちらもR加工しました。もちろんセーパーで加工しました。
完成の画像です。ずれも最小限で収まりました。
最後になってしまいましたが、このブリョ(固定振れ止め)の
基準面は赤の矢印の部分(リング状)です。
ここを証に加工していきました。
数日後、早速使いました。
大きな力が掛かると心配なところはありますが、
まず、成功と言っていいと思います。
電子書籍
「未来職人を育てる極意」 :時代遅れの町工場からハイテク化にもの申す
に当社の技術伝承の考え方を詳しく書いてます。
アマゾンより@99円でお求め頂けます。
ホームページもぜひご覧ください!
汎用旋盤職人養成
西尾鉄工所のホームページ