図面と違うものでも納品したが勝ち?
これは実際にある工場で起きた事例だ。MC加工の品物であるが、ある時作業者が図面と違うものを作った。30個全部加工し終わってから、図面と違う部分があることがわかって問題となった。
この会社では通常複数個の加工品の場合、1個目を加工した後に図面による検査を行い間違いの確認をしてから残りの数の加工をすることになっている。
今回の場合、その1個目の確認は行っていたが、確認者は図面との違いに気が付いたが加工作業者に聞いて、以前もそれで納入していると言われOKを出していた。
結論を言うと、その加工した30個は結局NG判断となり、作り直しになった。もともと納期通りに加工していたので、作り直しの発生でてんやわんやの大騒ぎとなってしまった。
今日のポイント
図面と違っていても納品できる場合もある。そう、所謂特採である。顧客が性能、品質、外観(これも非常に重要)などを総合的に判断して、使っても問題ないとしてくれれば、納めることができる。
その場合には必ず規格(図面)と違うが納入可というエビデンスを残しておく必要がある。そうしないと後で振り返った時に、どうして図面と違うものを入れたのか、特採だった場合、そのとき限りなのか、はたまたその後もずっと了解してくれているのか。
その後もずっと了解してくれるなら、図面または仕様書を変更することが必要となる。それがあれば、変更の経緯がわかってあとで混乱することは避けられる。
このケース場合、1個目の確認者が図面と違うことで過去に納品していた経緯をチェックしていれば、すべてがパーになることはなかった。
なぜ、その時は図面と違っていても納入できたのか、それはその場限りなのか、ずっと適用されるのか、手を抜かずに確認すればよかったのである。
補足
そんなの当たり前だろと思われている方が大部分と思いますが、実際には意外と起きているのではないかとも推察している。
ちょっとした手間を面倒と思わずやることが大事である。