前工程の不良は次工程作業者が検査責任を持つ?
前回工程不良率が30%もあるのに抜取り検査だけで、次工程に流している例を紹介した。
これに対して、読者の方からメールをいただいたので、今回はそれを紹介する。芋たこ北京さん、ありがとうございました。
『あたり前のことがあたり前にならない中国、しかし、小生は、中国の工場は、日本の工場の欠点を映し出す鏡だというのが持論で、日本では組織の暗黙知と、個人の犠牲の下に、ルール化せずとも回っている仕組みが多いなか、その工場の表面の仕組みだけを中国に持っていっても、何故か回らない。どこかに欠陥が出る。
日本で上手く回っているだけに、仕組みの欠陥が何処にあるのか分析した事もなく、また、分析しようにも暗黙知・個人知の部分で、見えない人には見えない仕組みだから、分からない』
日本でやっていた・出来ていた生産を中国に移管するとうまくできない。
これは中国経験のある方なら多かれ少なかれ経験していることでしょう。その理由を簡潔にまとめてくれました。
「中国工場は、日本の工場の欠点を映し出す鏡だ」このように考えて自社工場の見直しをされている方は、そう多くないでしょう。
今日のポイント
コメントの続きです。
『ところで、品質検査に関して、ある工場は、自分の工程で作業する前に、前工程の人がやった部分を、簡単な試験をする。試験は、前工程の人が加工した部分を軽く引っ張り、はずれがないかを確認するというものです。
その上で、自分の工程を加工する。万一、不良品が出た時には、不良品を出した工程の責任者ではなく、その後工程を担当した人間がペナルティーを受ける仕組み。
前工程から回ってきた材料を、自分の加工機にセットするわずかな間に、両手を使って引っ張り検査するので、生産ロスも殆どないというものです』
こういうやり方をしている工場もあるのですね。ひとつの方法ですが賛否両論あるのではないでしょうか。
前工程の出した不良の責任を後工程が取ると言う点が引っ掛かる方も多いのではないかと思う。不良を流出させない観点からはよいかも知れません。
しかし、前工程で発生している不良を減らすという点はどのようにしているのでしょうか。
補足
後工程で引っ張って不良品が容易に発見できるのであれば、それを加工した前工程で作業者が同じように引っ張って検査すればよい。
コメントしてくれた事例は、後工程はお客さんという考え方ではなく工場全体として不良流出を避けるための方法ですね。