分解能と読取率の関係
分解能の高いスキャナに変えたが、読取率が良くなるどころか、かえって悪くなったと言う話を聞く。
これは、分解能と読取率の関係を良く理解していないことによる。
そこで、次にバーコードリーダの分解能と読取率の関係について説明する。
分解能とは、バーコードスキャナが認識できる最小のバーまたはスペースの幅である。
もう少し定量的に言うと、細いバーまたはスペースの出力信号のレベルと太いバーまたはスペースの出力信号のレベルがほぼ等しくなる時のアパーチャ(開口径)の大きさである。
例えば、図aでは、アパーチャサイズが、細いバーまたはスペースの幅とほぼ同じになっている。
このときのバーコードスキャナの出力波形は、細いバーまたはスペースの信号レベルと太いバーまたはスペースの信号レベルが同じになっている。
このような信号が得られるための最小のアパーチャサイズが、分解能である。
しかし、実際のバーコードリーダでは、必ずしもこのような波形でなくても読み取りできる。
具体的には、細いバーまたはスペースの信号レベルが太いバーまたはスペースの信号レベルの50~70%で十分読み取れるようになっている。
したがって、分解能は、読み取ることができる限界のアパーチャサイズと言っても良い。
さて、図bのようにアパーチャサイズが細いバーやスペースに比べ非常に大きい場合、つまり分解能が低い場合は、どうなるだろうか。
図のように細いバーやスペースの信号は小さくなってしまい、当然読み取りが難しくなる。
したがって、バーコードスキャナの分解能は、ある程度高くなければならないのは当然である。
しかし、図cのようにアパーチャサイズが細いバーやスペースに比べ小さ過ぎる場合、つまり分解能が高過ぎる場合は、どうなるであろうか。
ここでは、バーの中にあるボイド(傷)やスペースの中にあるスポット(汚れ)を検知し、スペースやバーとして信号を出力してしまうことになる。
したがって、この場合、読取不能になるか、誤読になる。
また、分解能が高過ぎると、バーのエッジの影響を強く受けることになり、バーの幅が大きく変化することになる。
特にドットインパクトプリンタによるバーコードシンボルでは、エッジは大きくギザギザになっているので、この影響は大きい。