刃具再研磨の専門化|元トヨタマンの目

刃具再研磨の専門化|元トヨタマンの目

刃具再研磨の専門化

機械加工では刃具を使うが、いくつか加工していると刃先が丸くなってしまうため、再研磨する。

多くの企業が、その刃具研磨を機械加工作業者に行なわせている。

機械加工作業者が刃具の研磨をしている時間は機械は遊んでいる。

刃具の研磨方法には、作業者ごとにこだわりがあるため他人にはさせられないという。

それならすべての作業者に同じ刃具を研磨させて、誰の研磨の仕方が一番削れて、長持ちするか、コンテストを開いて競わせればよい。

そこで最も優れた研磨方法を標準として、標準作業票を作成する。

そしてそれを全部の刃具について行なう。

その上で研磨専門者を任命して、標準作業票どおりの研磨をすべての刃具について行えばよい。

当然、機械加工作業者の持ち回りローテーションとすればよい。

こうすれば刃具再研磨による機械の遊びがなくなり、その分の増産が可能になる。

トヨタでは50年も前からこのようなことは実施されているのに、私のかかわった企業はどこもやっていない。

今北京の会社に来ているが、この会社で早急に実施したい。

関係者の真摯な取組みをお願いしたい。


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。