全員で行う改善をベースとした新しい経営のアプローチ【9】

全員で行う改善をベースとした新しい経営のアプローチ【9】

本格的な寒さの到来です。みんな手をよく洗って風邪を引かないように頑張りましょう!

 

新しい改善のアプローチをお話しする前に、私のこれまでの改善指導のやり方をご説明させていただきたい。

私は社長はもちろんトップの方々と一緒に作業服を着て現場を回り実際に改善を実行する。改善をすればその瞬間から現場は良くなるが、そこで満足せず、なぜこの改善をすることが必要になったのかといった根源的なことをその場で議論する。その結果、大規模なレイアウト変更、設計変更、営業部門と他部門間の情報交換の方法改善といった一部門の改善では到底たどり着けない大きな成果が上がって来ていた。その過程から時には新商品が生まれたり新規顧客が生まれたりもしていた。

例えばKZ法という改善のやり方は、社長を筆頭に普段は別の部門に属し、また仕事もそれぞれ独立した状態で行っている設計、営業、調達、技術、管理のような人たちが現場に集合し一緒に5Sを実行する。その過程で出てきた不要品や不急品を見ながら、これはなんだ?どうしてこうなったんだ?みんなで改善してこうならないようにしよう!といった議論を行う。そしてその場で全社最適の改善を実行するために全社的なメンバー選定や方法を決めて全員の力で改善を実行するというやり方である。このKZ法の実行を通じて部門間にある強固な組織の壁が破られ、みんなが協力して総合的な改善ができる全体最適の体制が出来上がる。

 

Question:社長も含めた全員参加の5Sをやったことありますか?

全員で行う改善をベースとした新しい経営のアプローチ【9】

◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。