全員で行う改善をベースとした新しい経営のアプローチ【6】

全員で行う改善をベースとした新しい経営のアプローチ【6】

大きな台風が次々と日本を襲っています。被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

 

日本のモノづくりが世界で際立って強かった時、自動車も電気もその機能品質が抜群でした。機能品質といえばまず故障しないということでしょう。

次に携帯電話であれば、相手の声がビルの陰でもよく聞こえるとか長いメールが打てるといったことだったでしょうか。自動車でいえばよく走り、よく曲がり、よく止まるが機能品質の代表ですね。

日本の商品は機能品が抜群であり、その結果、製造業が日本の経済を引っ張った。しかし最近のマーケットはそれだけでは勝てず、お客様がほしいと思う魅力を備える必要があると私は最近の文章で書いています。

先日、米国J.D.パワー社が『1018年版 米国自動車初期品質調査』を発表しました。日本車はベスト10に8位レクサスと10位の日産の2社だけです。

『2011年版』では1位レクサス、2位ホンダ、3位アキュラ(ホンダ)、5位マツダ、7位トヨタ、8位インフィニティ(日産)と日本車が6社も入っていたことを考えると、残念ながら自動車も昔のような優位性を保てていないのです。

機能品質は相変わらずいいのですが、カーナビの使い勝手とか、IT情報系の使い勝手などの面で後れを取っているようです。マーケットの評価が変わったことが分かりますね。

今の世の中の変化は速く、私たちもその変化のスピードに合わせて変わって行く必要があります。お客様のほしいモノを作るユーザーインの姿勢が求められています。

 

Question:自動車における変化に付いてご自身で気付くことはありませんか?

全員で行う改善をベースとした新しい経営のアプローチ【6】

◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。