全員で行う改善をベースとした新しい経営のアプローチ【3】

全員で行う改善をベースとした新しい経営のアプローチ【3】

れまでの改善とこれからの改善は大きく違います。そこを分析し始めます。

 

そこでこれまでの改善について考えてみたのだが、品質・コスト・納期(Q・C・D)を対象に製造部門が中心になって実行されてきたのが従来の改善といえるだろう。そしてそれが日本のモノづくりの競争力を生み出していた。

しかしそれは顧客ニーズが分かっていたマーケットインの時代での改善である。

そこでの品質テーマはクレーム削減であり、コスト改善は競争における前提であり、納期は供給を切らさないための生産計画管理であり必要条件であった。

決して顧客の個々のニーズに対面したモノではない。

また製造部門中心とは言ったが、もちろん改善は設計の現場でも営業の現場でも行われていた。

しかしそれらは部門間で相乗効果を生み出せるような連携充分なものであったとはいえないだろう。

 

Question:
それぞれの部門がやっていた改善がつながっていなかった……と言いましたが、どう思いますか?

全員で行う改善をベースとした新しい経営のアプローチ【3】

◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。