作業者給与-日給月給それとも出来高-どっちがよい??
中国工場の作業者給与は、日給月給がよいのか、
出来高がよいのかという話になっています。
今回は、読者の方からいただいたコメントを紹介することにします。
ペンネーム・通りすがりさんのコメントです。
ここから↓
岩間先生の話も岩城先生の見解も、其々に現実の姿でしょうから、
「作業内容により使い分けるのがよい」或いは
「一長一短があり、どちらとも言えない」が適切の様に見えてしまいますが、
それでは思わぬ問題や見落としが出てしまいますでしょう。
先ず、同一工場内で二つの制度を導入したらどうなるでしょうか?
作業者がどちらに配属されたいのかが原因で、
色々な軋轢や問題が起きる可能性が無視できないでしょう。
次に、「どちらとも言えない」は一般論として誤りではないでしょうが、
出来高制の裏に潜む中国ならではの重要ポイントを素通りしてしまいます。
また、「カネで釣らなくとも、モチベーションとか向上心の持てる仕組みを」というのは、
市井の中国の人々を見下し過ぎではないでしょうか。
※確かに、向前看よりも向銭看が習い性で、
全員が結託して不良品隠しなどは良く聞く事例ですが。
出来高制が機能する要因の一つに、公平性と公正性が有るのです。
つまり、コネや少額の賄賂で自身の給料が左右されない
という公明正大な制度との認知が重要でしょう。
日系企業の良い点の一つとして、
従業員の管理を現地の中国人に任せっ切りにしないという所に有ると言われます。
中国の人達は常に社会における不公平や不公正を見ているので、
常に疑いの目を持って監督者を見ています。
例えば、同郷の作業者を高評価して高い賃金を払っていないか?
地元で親戚やコネの有る人達を優遇したり作業配置していないか、
チョッとした付け届けで不良や失敗の目溢しをして貰っていないか?
こんな依怙贔屓が入り難く、
自分の能力と成果がキッチリとして評価され他者に示される事に
モチベートされている人達もいるのです。
ひとつのプライドとして、認められるものでしょう。
以上の様な事柄に対して、キチンとした方針とその徹底を持って臨むのであれば、
「どちらとも言えない」というのも一つの見識でしょう。
まぁ、私自身の拙い経験と無線パーツのs電機での実際を学んだ事からですが。
ここまで↑
出来高制が機能する要因として、公平性と公正性がある。
そしてその具体的な内容もあり、大変わかりやすかったです。
この視点は、どちらの給与体系を取るにしても、
工場の運営管理においてとても重要なポイントとなるもので、
再認識させてもらいました。