作業を楽にする現場改善:作業を分けてみましょう
あなた一人で、手抜きでできる「作業を楽にする現場改善」
作業を分けてみましょう
動画や時間測定で、気付かなかったムダが見えましたね。
しかし、もっと小さなムダが気になってきませんか?
せっかくなので、小さなムダも見つけましょう。
そのためには、作業を分けてみることが効果的です。作業を分けるとは、どういうことでしょうか?
具体的な組立作業で、考えてみましょう。
例えば、スマホのような形のものを組み立てる場合を思い浮かべてください。
外側には、表ケースと下ケースの2つのケースがあります。内側には、部品Aと部品Bの2つの部品を組み立てます。
作業台があり、真ん中に組立治具があります。
合計4つのケースと部品は、組立治具の奥に並んでいます。
①左手で下ケースを取る
②下ケースを組立治具にセットする
③右手で、部品Aを取る
④部品Aを下ケースに組み立てる
⑤右手で、部品Bを取る
⑥部品Bを下ケースに組み立てる
⑦右手で、表ケースを取る
⑧表ケースを下ケースに組み合わせる
⑨完成品を組立治具から取り外す
⑩完成品を完成箱に置く
このように作業を分けてみると、10の作業に分けることができます。
それぞれの作業の特徴が、分かりますね。
①③⑤⑦⑩の5つの作業が、取ったり、置いたりする移動になります。つまり、価値を生まない作業なのです。
実際に価値を生む作業は、④⑥⑧の3つしかありません。
②と⑨は、作業自体は価値がありませんが、品質を確保するために必要な作業になります。
この価値を生まない5つの作業を中心にムダを見つければ、大きな効果の改善ができます。
手が2本ありますから、できる限り、両手で作業できる方が良いですね。
この事例だと、①と③、⑤と⑦は、両手で同時にできそうです。
両手作業ができれば、ほぼ半分の時間でできるようになります。
最も効果の高い改善は、作業そのものを無くすことです。この事例では難しいですが、ネジ止めをやめ、はめ込みにするなど可能性はあります。
これは効果が大きいですが、製品の仕様変更が必要な場合が多いです。別の本で紹介したいと考えています。
小さなムダを改善する場合は、作業を分けて分析することが効果的です。
参考書
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