作業を楽にする現場改善:ボトルネックを見つける
あなた一人で、手抜きでできる「作業を楽にする現場改善」
ボトルネックを見つける
ライン作業は、数人で行っています。
この場合だけは、あなた一人だけでは改善できないことを、ご了解願います。
ラインの他のメンバーと一緒に改善を行ってください。
一般的には、数人の作業を時間測定して、最も時間のかかっている工程の作業改善を行います。
最も時間のかかっている工程のことを、「ボトルネック」といいます。ボトル、つまり、瓶の一番細い部分のことを指します。
このネックの大きさで、ボトルから流れ出す水量が決まってしまうという意味です。
このボトルネックを見つけるのが、ラインの作業改善の第1歩なのです。
ボトルネックを見つけるためには、各工程の作業時間の測定が必要です。しかし、バランスの悪いラインだと、時間測定しなくても見つける方法があります。
ラインの中にあるワーク(仕掛品)の数と、手待ちの発生を調べれば、すぐに分かるのです。
例えば、5名のライン作業を考えてみましょう。3人目の作業がボトルネックになっているとします。
すると、2人目と3人目の間に仕掛品が溜まります。3人目と4人目の間には、仕掛品がいつもゼロの状態になります。
4人目は、毎回、手待ちがあり、ワークが来たら、すぐに作業を行っている状態になります。
3人目がボトルネックであることが分かれば、3人目の作業を5人で作業改善すれば良いのです。
作業改善する方法は、今までと全く同じです。
すると、ボトルネックが、3人目から他の人に移ります。
また、同じようにボトルネックを見つけて改善を行うのです。
どんどん、生産数が増えていきます。
5人のチームワークも、とても良くなります。
厳密に改善を行いたい場合は、5名の作業時間を測定する必要があります。
しかし、ラインの近くに行って、5名を測定しても正確な時間は測定できないケースが多いのです。
それは、どうしても「合わせ作業」を、行ってしまうからです。「合わせ作業」とは、何でしょうか?
例えば、3人目がボトルネックで作業時間が長い場合を考えてみます。
2人目は作業時間は短いはずですが、早く作業を終えて、手待ちすることはありません。
3人目と同じくらいの時間で作業を行います。つまり、ゆっくり作業を行うのです。これが、「合わせ作業」です。
正確に測定しようとすると、ラインの中では難しいのです。
ラインの一人ひとりに、別々に作業を行ってもらう必要があります。数回を繰り返し作業を行ってもらうと正確に時間が測定できます。
つまり、前後の人の影響をなくして、作業を行ってもらうのです。
他の方法としては、一人に5人分全ての作業を行ってもらう方法です。
ラインリーダーなど、全ての作業ができる人に、全ての作業を行ってもらうのです。
それを、一人ひとりの作業に分解すれば、各工程の正確な時間が分かります。
このように、正確な測定を行うためには、ちょっと工夫が必要です。
正確に各作業の時間測定ができれば、小さなムダをなくすことができます。
まずは、ボトルネックを見つけて、作業改善を行いましょう。
参考書
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