仕入先管理・金型資産は大丈夫か?!

仕入先管理・金型資産は大丈夫か?!

※こちらは2014年11月17日に公開された記事です。

前回、中国生産委託先(B社)の位置付け、政策を誤ったことで、そことの協力関係が崩壊した事例を紹介しました。

増産対応への協力が得られなかったことをきっかけに自社で工場を立ち上げたものの、自社工場の生産CPCAを顧客が要求する数量まで用意することはできなかったA社。

結局、B社が持っていた生産CAPA程度しか用意できず、B社への注文はごくわずかにしていたので、全体の生産CAPAを増やすことはできませんでした。

前回も書いたように、顧客の要求する数量に対応できず、慢性的な納期遅れで顧客に迷惑をかけ続けることになりました。

B社と自社工場を共存させるという政策を取っていれば、顧客が求める数量は十分に確保できただけに悔やまれる判断でした。

B社への注文を急激に減らしたことで、B社の経営状態が悪くなってきました。
このままでは倒産する可能性も現実のものになってきました。

そこで別の問題が出てきました。それは金型の扱いです。

A社の製品は型ものなので、生産委託先には数多くの金型が保有されています。
金型代は、最終のお客さんが負担しているので、すべて顧客資産となっています。
当然のことながら、生産委託先は金型を預かっているという位置付けになります。

顧客資産の金型の数は1000型以上あり、その保管だけでも大変ですが、たまにリピートオーダーが来るので廃棄する訳にもいきません。

万が一、B社が倒産するようなことがあった場合、金型を取り戻せる保証はどこにもありませんでした。

 

出典:中国工場での品質管理・品質改善


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/