二次元シンボルの種類と特徴

二次元シンボルの種類と特徴

マトリックスシンボルの種類

マトリックスシンボルの原形は、1982年にベリテック社が開発したVeriCodeである。正方形の枠が特徴であり、その中にデータが書き込まれている。

日本で紹介されているVeriCodeは、三菱商事がベリテック社のライセンスを取得してリードソロモンによる誤り訂正を使用できるように改良したシンボルである。

歪補正がないために、バイナリー196バイト、英数字261キャラクタ、数字392桁に限定している。

VeriCode

1987年にIDマトリックス社が開発したDataMatrix(日本ではデータコードと呼ばれることがある)は、シンボルの方向を認識するためのL字型の枠とその対面にタイミングパターン(基準セル)を配置している。

このシンボルのオリジナルであるECC000-140は、セルサイズが9×9から49×49のシンボルで奇数のセルになっている。

誤り訂正は、コンボリューショナル方式で、ECC000、ECC50、ECC80、ECC100、ECC140の5種類の誤り訂正レベルがある。

 

1995年、IDマトリックス社は、DataMatrixを大容量シンボルに対応できるように、歪補正機能を付加したECC200を開発した。

このシンボルはデータセルが24×24以上(シンボルサイズ26×26セル以上)になった場合シンボルを分割し、1ブロックは24×24セル以上にならないようにしている。

また、誤り訂正をリードソロモン方式に変更した。ECC200はセルサイズが10×10から144×144の24種類あり、必ず偶数セルになっている。最大の情報量は英数字で2,335字、数字で3,116桁、バイナリーで1,556バイトである。

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DataMatrix

2009年、GS1はこれをベースにアプリケーション識別子が使用できる流通標準シンボルとしてGS1 DataMatrixを発表した。

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CP code

1991年に帝菱産業が開発したCP Codeは、Computer Purpose Codeの意味である。DataMatrixと同じようにL字枠を持っており、L字枠に沿ってタイミングパターン(基準セル)を配置している。

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MaxiCode

1987年にUPS社が開発したMaxiCodeは、高速読取用に開発した二次元シンボルであり、3重の同心円のファインダーパターンをシンボルの中央に配置している。

ファインダーパターンの形状は、読取速度に影響することから、以後さまざまな形状が登場していく。

また、MaxiCodeはシンボルサイズを33段×30モジュールに固定化することによって、デコード時間の短縮を図っている。

 

セルの形状は、他のシンボルと異なり六角形をしている。

データと誤り訂正データを合わせたデータ容量は884モジュールで、144コードワードに相当する。

数字コンパクションモードを使用すれば9桁を6コードワードに圧縮してエンコードできるので、最大の情報量は、英数字で93字、数字で138桁である。

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Code 1

1991年、レーザライトシステムズ社は渦巻型のファインダーパターンをシンボルの中央に配置したCode 1を開発した。

このシンボルは、シンボルサイズをAバージョンからHバージョンまでの8種類と3種類のSバージョン、3種類のTバージョンの合計14種類に限定している。

そして、長方形のファインダーパターンの形状によりシンボルサイズがわかるような仕組みになっており、デコード時間の短縮を図っている。

 

また、ファインダーパターンをシンボル全体に横長に配置することにより、水平歪補正を行っている。

また、垂直歪補正のために垂直参照パターンの配置されている。

Sバージョンは数字6、12、18桁の極小シンボル、Tバージョンは10、24、30個のアスキーキャラクタに対応した極小シンボル、そして、標準バージョンAからHは10、19、44、91、182、370、732、1480バイトに対応している。

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QR Code / Micro QR Code

1994年に日本デンソーが開発したQR Codeは、四角形のファインダーパターンをシンボルの角に3個配置して、データ領域を拡大すると共にシンボルの方向とサイズがわかるような仕組みになっている。

QR Codeは、オリジナルのモデル1は最小21×21セルから4セル間隔で最大105×105セルまで22種類のバージョンがあり、最大情報量は英数字1520字、数字2509桁、バイナリー1,045バイト、漢字643字である。

モデル1は歪みに弱かったので、1996年、データの中に小さな目玉を散りばめることにより歪み補正が行えるようにしたモデル2を開発した。

 

これによりモデル2では数字7,366桁、英数字4,464字、バイナリー3,096バイト、漢字1,888字まで容量を拡張した。

モデル2の開発に伴い、モデル1は小データ用シンボルとして改版され、21×21セルから73×73セルまでの14バージョンに限定され、最大情報量は数字1,167桁、英数字707字、バイナリー486バイト、漢字299字になった。

また、QR Codeはファインダーパターンが3箇所あるために、少ないデータでもシンボルを小さくできない。そこでファインダーパターンを1つにしたMicro QR Codeが開発された。

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AztecCode

1995年、ウェルチアレン社(現ハンドヘルドプロダクツ社)は、四角形のファインダーパターンをシンボルの中央に配置したAztecCodeを開発した。

この名称は、アツテカ文明のピラミッドをイメージすることに由来している。

 

AztecCodeは、ファインダーパターンのコーナーにシンボルの方向を検知するセルと配置し、またファインダーパターンのにシンボルのモードの種類とレイヤ数を示すセルを配置しているので、クワイエットゾーンなしで読み取ることができる。

シンボルの歪みについては、碁盤の目のように描かれた参照グリッドセルが配置されているため、大容量シンボルでも確実な読み取りを実現している。

AztecCodeの最大情報量は32レイヤ(151×151セル)で、数字で3,832桁、英数字で3,067字、バイナリーで1,914バイトである。

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スタックシンボルの種類

Code49

マルチロー(スタック)型シンボルの原形は、1987年にインターメック社が開発したCode49である。

Code49は一次元シンボルを細バーで分離し積み上げた形状をしていおり、最大8段まで重ねることができる。

そして、最大情報量はフルアスキー49キャラクタ、数字81桁である。各段の一次元シンボルは4個のシンボルキャラクタで構成され、1つのシンボルキャラクタで2つのデータを表すことができる。

 

また、各段のシンボルキャラクタは異なるパリティパターンで構成されているので、何番目の段かわかる仕組みになっている。

したがって、必ずしも上の段から順番に読み取る必要はない。

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Code 16K

1988年、レーザライトシステムズ社が開発したCode16Kは、大きな情報を使用するアプリケーションのために開発されたシンボルで、16段まで重ねることができ、各段は5個のシンボルキャラクタで構成されている。

各シンボルキャラクタは3バー3スペースの11モジュールであり、コード体系はCode128を利用している。

 

1段目最初のシンボルキャラクタはスタートモードキャラクタで、アスキー0~95を表すコードセットA、アスキー32~127を表すコードセットB、そして1シンボルキャラクタで数字2桁を表すコードセットCを示している。

スタートコードは8パターン用意されており、その組み合わせで段情報を表現している。

最大情報量は英数字77キャラクタ、数字154桁である。

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Codablock

1989年、ICS(Identcode-Systeme)社が開発したCodablockは、更に情報量を大きくするために最大44段まで重ねることができ、段のシンボルキャラクタは4~62個に可変できる。

 

Code39のキャラクタセットを利用したCodablock Aは1~22段で、各段は1~61シンボルキャラクタで構成されている。

Code128のキャラクタセットを利用したCodablock Fは2~44段で、各段は4~62シンボルキャラクタで構成されている。

Code128のキャラクタセットを利用したCodablock 256は1~22段で、各段は8~66シンボルキャラクタである。

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PDF412 / Micro PDF412

1989年、シンボルテクノロジー社が開発したPDF417は、最大情報量が英数字で1,850字、数字で2,725桁、バイナリーで1,108バイトと従来の数十倍に拡大している。

また、バイナリーも情報化できるようにしたので音声や画像も可能になっている。

このような大容量データを可能にしたのはスタートコードからストップコードまでの一次元シンボル単位ではなく、コードワード単位でデコードできるようにしたことによる。

 

そのために、左右に段インジケータを配置し、クラスタ方式により上下のコードワードを区別できるようにしている。

これによりバーの高さをモジュール幅の僅か3倍まで小さくして情報化密度を高くしている。

さらに、誤り訂正機能により確実な読み取りも実現している。

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SuperCode

1994年、メタニティクス社が開発したSuperCodeは、スタートストップコードのオーバーヘッドを少なくして情報化密度を高くしている。

また、奇数パリティのアドレスデータと偶数パリティの2つのデータシンボルキャラクタが1つのパケットを構成し、それぞれが連結されているので、シンボルの形状は印刷スペースに応じて自由にデザインできる。

標準バージョンのパケットは48モジュール構成で、モジュールの高さはモジュール幅の1~8倍である。また、コンパクトバージョンのパケットは32モジュール構成で、モジュールの高さは、モジュール幅と同じである。

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UltraCode

1996年、Zebla社が開発したUltraCodeは、低密度インクジェットプリンタや謄写版印刷など精度の低い印刷でも利用できるようにマークシートに似たエンコード方式を取っている。

1カラムは長方形のセルを縦に7個積み上げた形で構成され、このカラムを横に並べて行くことによりコード化していくので、シンボルの幅が変化するリニアー型マトリックスシンボルといわれている。

見た目は一次元シンボルを積み上げた形をしているが、情報的には縦の一次元シンボルを横に並べている。

 

また、Color UltraCodeは従来の黒、白の他に赤、緑、青、黄の4色を使用することにより、情報化密度を高くしている。

黒白でエンコードしたシンボルを左右半分に分け、左側のシンボルを右側のシンボルに被せる。

このとき左シンボルと右シンボルがいずれも白なら黄(または白)、左が白で右が黒なら緑、左が黒で右が白なら赤、左と右のいずれも黒なら青というようにカラー化する。

 

これにより<情報化密度は2倍に高められる。UlutraCodeはカラーの他に、さまざまな言語に対応できるよう16ビットのユニコードを採用している。 最大情報量は1,147コードワードで、これは、英数字574字、漢字191字、数字716桁に相当する。

合成シンボルの種類

GS1 Composite

1999年、GS1(旧国際EAN協会と米国コードセンターUCC)は、バーコードシンボルと二次元シンボルを複合化させたコンポジットシンボルGS1 Compositeの最終原案を公開した。

このシンボルはEAN/UPC(JAN)、GS1-128、GS1 Databar、GS1 Databar Limited、GS1 Databar Expandedの一次元シンボルとMicro PDF417、またはPDF417の二次元シンボルを複合化させたものである。

そして、二次元シンボルのコンポジットコンポーネント(CC)によってCC-A、CC-B、CC-Cの3種類のタイプがある。

 

CC-AはMicroPDF417を使用し、データ前後の異なる段アドレスパターンが32のユニークなローテーションになっているため自動的にシンボルパターンを識別することができる。

シンボルパターンは2列、または3列、4列があり、最大の段数は2列の場合が12段、3列の場合が8段、4列の場合が7段である。

そして、最大情報量は2列、または3列の場合、数字46桁、4列の場合、数字56桁である。

 

CC-Bは、比較的に大きな情報のための複合シンボルで、2次元シンボルにMicroPDF417を使用している。

最大情報量は数字338桁である。CC-Cは、大きな付加情報のための複合シンボルで、2次元シンボルにPDF417を使用している。

PDF417の最大情報量は、数字2361桁である。

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AztecMesa

AztecMesaは、ウェルチアレン社が開発した複合シンボルで、マトリックス型のAztecCodeを基本にスタック型に改造したものである。

AztecCodeでは多重四角形がファインダーパターンであったが、AztecMesaではバーコードをファインダーパターンに利用している。

使用できるバーコードシンボルはEAN/UPC(JAN)、インターリーブド2 of 5、Code39、Code128であり、その上下に二次元シンボルを配置している。

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提供:アイニックス株式会社


アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。