予知保全とは?人間の感覚をついに機械が実現
そもそも予知保全とは?
予知保全とはそのままズバリ「壊れる前に察して直す」ことです。
経験を積んだエンジニアは、機械の調子が悪いことを「察する」ことができるため、壊れる前に部品交換やメンテナンスなどを行い、設備停止時間を最小限にしています。
モーターの音がいつもと違う、温度の上がり方が変だ、製品の状態が少しだけ違うなど、素人では気がつかないことを察し、原因を特定し、保全を行います。予知保全自体は新しい話ではなく、従来から行われている内容です。
何で最近良く聞くの?
結論からいくと、技術の発展により、経験者の知見を(一部)機械に置き換えることで、お金で解決できる様になったからです。
PCの高性能化、ストレージ(メモリ)の大容量化、解析技術の発展、クラウドサービスの低価格化などにより、従来は経験者の知見に頼っていた「察する」ことを、機械ができるように(一部)なったことが背景にあります。
よく事例に出てくるGE社の航空機エンジンの予防保全(予兆保全)は最たる例です。
センサを多数エンジンに設置し、使用状況やエンジンの状態ををデータ化し、解析することで壊れる前に「察する」ことを実現しています。
以前はPCの処理能力不足や分析手法が確立しておらず、経験値に頼っていた部分を機械(ソフト)が代替できるようになりました。
経験をお金で買うということです。(一部)と注釈を入れているのは、まだ機械は経験を積んだ人間にはかなわない部分があるというニュアンスです。
予知保全も人から機械へ
経験を積んだ方であれば、モーターに近くに行くだけで壊れかけているかどうかを判断できると言います。
音質、音量、振動など色々な要素を加味して判断しているそうです。今はそれをセンシングし、データ化し、インターネットでクラウドにアップし、データをひたすら集め、解析し、結果をもらうことができます。
いわば経験者の知見を機械に置き換えているとも言えます。
実際はどんなセンサも解析ソフトも、人にはかなわない部分がまだまだありますが、IoT技術を使うことで、24時間365時間データを蓄積することがローコストにできる世の中になりました。
センサや解析の分野では、人を超える技術も多数でてきています。自社以外のデータや知見も、専門企業であれば持っています。
また、根本的な部分で経験を積んだエンジニア自体が人材不足と言われています。AIを含む分析技術も日進月歩ですので、予知保全の分野で機械が人を超える日も、もうすぐかもしれません。
出典:『予知保全とは?人間の感覚をついに機械が実現』FAプロダクツ