中国式金型寿命管理?!

中国式金型寿命管理?!

一般的に金型の寿命管理は、ショット数管理と出来栄え管理の両面で行います。

ショット数管理は、あらかじめ数量(ショット数)を設定し、それに達したらメンテナンスを行うというもの。

出来栄え管理は、その金型で生産した品物の状態(出来栄え)を確認して、問題なければそのまま生産を継続、バリなどが発生し問題があればメンテンナンスを行うものです。

ある中国工場でもプレス工程で使用している金型管理は、ショット数管理と出来栄え管理で行っていました。

出来栄え管理は、作業者の自主検査を2時間ごとに行い、製品の外観を確認項目に入れています。また、巡回検査員がやはり2時間ごとに回ってきて検査を行いますので、実質1時間ごとに検査を行っていることになり、出来栄え管理は機能していると言えました。

ショット数管理は、ERPシステム上で数量を設定し、それに基づいて金型担当の生産技術者が数量の把握とメンテナンスを行う仕組みとしていました。

ところがショット数管理は、本来の設定ショット数に達したらメンテナンスをするという方法ではなく、そこに出来栄え管理の要素を加えた方法で実施していました。

設定したショット数に達したら、その金型を検査して問題あればメンテナンスを行う。しかし、問題がないと判断したらそのまま生産を継続します。次に確認するショット数を設定し、そのショット数になったらまた金型を検査して同じ判断をするというやり方です。

例えば、当初30万ショットという数字を設定していた場合、30万ショットに達したら検査を行い問題なければ、35万ショットに設定し直して生産を継続するのです。そして35万になったら、また金型を検査して問題の有無を確認するというものです。

最初はショット数と出来栄えで管理していると聞いて、当然設定値に達したらメンテナンスを行っているものと思っていました。ところが実態は大きく違いました。

これが中国式の寿命管理ということでしょうか。

 

出典:中国式金型寿命管理?!


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/