中国企業・経営者トップの意向は現場に届かない??

中国企業・経営者トップの意向は現場に届かない??

中国企業から製品・商品・部品を調達する。
この流れは途切れることはない。

中国企業を選択する時に何を見ればよいのか、何を確認すればよいのか?

そのひとつとして、経営者・トップの考え方や方針を確認することを取りあげました。
それに対して、ちょっと違うという意見をいただいたので、今回はそれを紹介します。

その意見は次のようなものでした。

「中国サプライヤーの経営者に品質ほかの考え方を聞くことの重要性を書かれていましたが、私の経験ですと、以前にお話ししたように末端の現場を自身の目で確認することが大切で、経営者の意向や志が、中国では末端に伝わらないことが多いと感じています。

根本様のお考えと真逆な訳ですが、なぜ、そのようになるのかを考えてみました。

ひょっとすると、ライン作業で比較的スキル不要の組立等の電子電気製造現場と、職人的スキル重視の溶接、製缶、機械加工現場との違いかなと思いました。

ホワイトの世界では、どうなのかな、と思ったので、調べてみようと思っています。」

ここまで。

現場を確認することが必要と言われています。

このことに関しては、わたしもまったく同感で必要だと思います。
新規取引可否で生産現場を確認しないで判断することはあり得ないですね。

中国工場において経営者の意向や考え方が、末端に伝わっていないことが多いというのも事実でしょう。

これは中国企業だけでなく日系中国工場でも起きていることです。
これはこれで問題です。

ただし、経営者の考え方を確認することと、現場にそれが伝わっているかは別の問題として捉えます。

伝わっていないとすれば、伝わるようにしてもらう必要があります。

中国企業の経営者が品質や顧客の要求に対して、いい加減な対応でよいと考えているのに、現場だけが品質をよくしようとか、顧客要求に何とか応えようとすることはないと思います。

これはわたしの経験上からの結論です。

現場が品質をよくするために行動するのは、経営者・トップがそのような考えを持って初めてそうなると考えています。

経営者の考えを確認するのは、必要条件であって、十分条件ではありません。

あなたはどうようにお考えですか?

 

出典:中国工場での品質管理・品質改善


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/