中国企業の品質はトップの考え方と外圧次第?!
いくつも中国企業の工場改善をやらせてもらい感じているのが、
中国企業はトップの考え方や方針でその工場がどう進むかが決まるということです。
工場改善を進めるにあたって大事なことは、
中国企業のトップが本気で「品質をよくするんだ」という意志表示を社内に示すことです。
外部コンサルタントを入れるには当然のことですが費用がかかります。
ですから、コンサルを入れると決めることが本気ということが言えます。
しかし、コンサルを入れたら後はすべて任せきりで、
トップはまったく関与せずという企業もあります。
これでは工場スタッフへの本気度は伝わりません。
ある中国企業のトップは、その本気度を態度で示してくれました。
その企業のトップは月の半分くらいしか工場には来ません。
ですので、工場長にコンサルと協力して改善を進めることを厳命しました。
また、キックオフミーティングに出席し関係スタッフに自らの言葉で
工場改善をプロジェクトとして進めることを伝え指示しました。
こうした姿勢を示してくれると関係スタッフも本気でやります。
元々工場長がしっかりした人なので、スタッフもやる気はある人たちばかりでした。
この工場に来た時の第一印象は、作業者も含めみんな一生懸命作業している、
働いているというもので悪くない印象でした。
ただ、管理者の人たちもやる気はあり工場をよくしたいという想いはあるのですが、
どこをどのように改善したらよいのかが分かっていませんでした。
若い工場なので、経験と知識が不足しているのです。
そこに具体的に問題点を指摘します。
そうすると何が悪いのかがわかるので、自分たちで改善をしようとします。
その動きはこちらが考えている以上に早いです。
改善方法を自分たちで見つけることができる問題ばかりではありませんでしたので、
具体的なヒントを与えながら一緒に考えることをやっています。
彼らに考える癖をつけさせなくてはなりません。
ひとつひとつ彼らが納得をしてやることがその後の徹底には必要です。
品質はトップの考え方次第と言いましたが、
実は最初からそのような考え方をしている
中国企業のトップは少ないのではないでしょうか。
品質を重視している中国企業も外(顧客や日本の販社など)からの要求や圧力で
必要にせまられて考え方を改めたというのが大半でしょう。
しかし、例え外圧だとしても、品質重視に考え方を変えられるかどうかが
その企業にとって大きな分かれ目と言えます。