中国の経営者の日本工場を見る目|元トヨタマンの目

中国の経営者の日本工場を見る目|元トヨタマンの目

中国湖南省の私がコンサルティングをしている会社の副社長が、日本企業の工場(トヨタ系自動車メーカー)を見学した。

非常に感銘を受けたそうで、写真と感想を書いて工場の各建屋に掲示していた。

中国の経営者がどのような目で日本のトップ企業を見ているか非常に参考になると思う。

中国の経営者の日本工場を見る目①
「日本のリーン生産現場」と「日本の作業者の職業精神」の展示

 

中国の経営者の日本工場を見る目②
部品がすべて整然と揃って置いてあり、すべての掲示が非常に見やすい。
部品棚は組立式で、タイヤがついていて移動可能になっている。

 

中国の経営者の日本工場を見る目③
部品の台車が地面の表示と一致させて、きちんと揃えて置いてある。
また台車の上の部品には表示がきちんとされている。

 

中国の経営者の日本工場を見る目④
工場内の部品の特性に合せた適切な運搬方法を考案して人間の運搬の浪費を減少させている。

 

中国の経営者の日本工場を見る目⑤
非常に古い設備の作業台だが、その表面が徹底的に補修されてピカピカの状態だった。
見よ!白い布で拭いてもまったく汚れない。

 

中国の経営者の日本工場を見る目⑥
非常に取り出しやすい治工具の収納箱(写真左下)

 

中国の経営者の日本工場を見る目⑦
定位置表示①
モジュールを利用して、丁寧に輪郭を描いている。

 

中国の経営者の日本工場を見る目⑧
定位置表示②
見よ!作業者が輪郭の中に丁寧にペンキで色を塗っている。

 

中国の経営者の日本工場を見る目⑨
生産現場が保存している数量と掲示の数量が一致していた。
この箱の中にはホコリもなかった。


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。