世の中の変化と日本の製造業が抱えている問題点【1】

世の中の変化と日本の製造業が抱えている問題点【1】

皆さま、良いお年をお迎えになられたことと存じます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

年が明けて初めての文章をお届けいたします。

昨年までは私の著書である『儲かるメーカー 改善の急所101項』から大切な項目を選んで解説をしてまいりましたが、今年はもう少し現実に沿って具体的な話を進めていきたいと思います。

 

日本の製造業は残念ながら以前と比べると明らかに競争力を失っています。

1章でその原因を分析し、2章で日本の製造業が持つ本来の強味を明確にし、そして3章でそれらの結果を用いてどうやって日本のモノづくりを強化していくのかをご提案したいと考えています。

 

もしお読みくださった方からのご意見もいただければ、そこからまた新しい議論も始められる可能性も期待します。

 

1章 世の中の変化と日本の製造業が抱えている問題点

日本の製造業には世界のモノづくりの先頭を走っていた時期がある。

そこでは、Q、C、D(品質、コスト、納期)が競争力のベースになっており、抜群の現場改善力が大きな役割を担っていた。

 

また小さくて軽くて音が素晴らしいウォークマンや、丈夫で「走る・止まる・曲がる」の基本性能が抜群のコンパクトカーに代表されるような日本の技術力の粋を集めた商品もヒットし、高い収益力を誇っていた。

しかし現在、残念ながら日本の製造業は当時の勢いを失っている。

 

一体何が起きたのだろうか?

 

Question

次回以降に私が考える答えをお伝えします。

その時までにこの質問に対する答えを2つ以上考えておいて下さい。

 

今年もみんなでより良いモノづくりの達成を目指して頑張りましょう!

世の中の変化と日本の製造業が抱えている問題点【1】

◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。