不良原因調査は完璧、でも原因にはがっかり!!
前回は、不良の原因調査がしっかり出来ていたM社の例を紹介しました。
この報告書を見て、原因特定のために先ずロット特定をきちんと行っている。
その特定のために加工の特徴を観察したのは、すばらしいと思いました。
データに基づく判断も納得できるものでした。
ロットと加工機が特定できて、
そこからまた加工の履歴をきちんと調査している点も評価できました。
そして、最後には担当者への聞き取りを行い、原因を特定することができました。
これも評価できます。
作業者への聞き取りは、うまくやらないと本当のことを聞き出すことは、
なかなかできないものだからです。
作業者も自分の責任と認めたくないので、本当のことを言ってくれない場合が多いのです。
ただ、原因を読んだときは「それはないだろー」と言うのが正直な思いでした。
また、対策もその作業者への教育と記しているだけだったのです。
M社には調整品の処置に関する決まり(ルール)は、ちゃんとありました。
ならば、どうしてこの作業者はルールを守らなかったのか?
また、異常発生記録が書かれていないのはどうしてか?
この原因をきちんと確かめて、
ルール通りに行われるようにしないとまた同じことが起きます。
ですから再教育という対策ではダメなのです。
ルール通り行わなかった理由を深掘りして、
その対策をすることが真の再発防止になるのです。