上海の改善スピードはとてつもなく早かった!

上海の改善スピードはとてつもなく早かった!

※この記事は2017年5月20日に執筆されたものです

上海交通大学で講義をすることになり先週末は上海におりました。

 

上海には約一年前に行っています。

これまでも中国の変化の速さには驚かされているのですが、今回もたくさんの変化を見てたいへん驚いて帰ってきました。

 

一つは道を走っている自転車がとても増えていたこと。

それも数種類の同じ色・同じ形の自転車です。

案内の方に聞くとレンタル自転車であり、この半年で急に普及したとのことです。

日本にもレンタル自転車はありますが、私の知っている日本のレンタル自転車は決まった場所に置いてあって借りる場所と返す場所は決まっています。

そして観光地にある場合はけっこう高額です。

 

上海のレンタル自転車は場所の制約は全く無し。

アプリを開くと写真1のように自転車が置いてある(乗り捨てられている?)場所が示されます。

そこでスマホ画面で自転車を借りたい場所をタッチして申し込むと、レンタルされる自転車の番号が示されます。

マップに従ってそこに行ってみると写真2のように自転車が並んでいたり、あるいは全くなんでもないところにポツンと乗り捨てられていたりします。

そして写真3にあるようにその番号の自転車を見つけてQRコードをスマホで読むと鍵が開くという仕掛けです。

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レンタルを終えるには自転車の鍵をかければそれだけでいいそうです。

値段は何と30分で2人民元、約33円です。

スマホから自動でお金が引き落とされます。

 

もう一つの驚きは電子マネーの普及です。

私は二日間のみの滞在だったので案内の方にすべてお世話になってしまったのですが、タクシー、食事(小さな定食屋で昼色、豪華なレストランで夕食、喫茶店でコーヒー)、買い物(コンビニでジュース)、ホテルの支払いなどすべてスマホ決済でした。

その方以外にコンビニで買い物をしているお客の支払いを眺めていたのですが、老若男女だれも現金やカードを使っていませんでした。

みんな「Alipay」、「Wechat pay」あるいは「Apple pay」だそうです。

 

これまで中国には「ずいぶん追いつかれてきたなあ」と思うことが多かったのですが、今回は「ずいぶん先を行かれちゃったなあ」と思ったのです。

できない理由を言わない、やる方法を考えることを改めて自分に言い聞かせました。
柿内_上海_001


◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。