ワイヤレス・ヘッドセット時代の到来か、これほど時間がかかった理由は?

ワイヤレス・ヘッドセット時代の到来か、これほど時間がかかった理由は?

最近、ヘッドセットを携帯電話へつなぐ主な方法としての3.5mmオーディオジャックの消滅に関するニュースが多く報じられています。

これはワイヤレス・ヘッドセット時代の到来を意味するとの憶測があります。

私が疑問に思うのは、なぜこれほど時間がかかったのかということです。

 

現在、携帯電話は音声通信の送受信の手段だけでなくエンターテイメントのデバイスとして捉えられています。

しかし、私はこれまで所有した携帯電話を1990年代初頭まで遡ることができ、今に至るまでのほとんどの期間、携帯電話は携帯電話でしかありませんでした。

私が最初に手に入れた携帯機器は、正真正銘のモトローラのマイクロTACでした(実際には厚さ1.5インチで重さが約4ポンドあり、マイクロでもなんでもないところが皮肉です)。

 

私は、世界初の折り畳み式携帯電話であるStarTACを会社から渡された時に実際に涙したと思います。

このスター・トレックの映画から生まれ出たような携帯電話にオーディオジャックは不要です-ヘッドフォンを付けたカーク船長をどのように描けるでしょうか? 私が次に手に入れた携帯電話は、モトローラTimeportで、結局香港のタクシーの中でなくしてしまいましたが、それも3.5mmオーディオジャックはありませんでした。

その次に手に入れたのは、うれしいほど小型のモトローラVシリーズの携帯電話ですが、3.5mmジャックはありませんでした。

 

私は、米国へ拠点を移した時、最初の双方向ポケットベル……ちょっと待ってください……モトローラT900を手に入れて興奮しました。

テキストメッセージが本格的に始まるまで、このペーパーウェイトを得意げに約3年間持ち歩き、モトローラが世界最大の携帯電話メーカーとしてノキアを追い越す勢いまで押し上げたモトローラRazr V3を手に入れました。

カメラ、もちろん! スピーカーもちろん! 3.5mmヘッドフォンジャック? いいえ、ありませんでした。

 

自分の2代目のBlackBerryまで、3.5mmジャックは私の携帯電話に組み込まれませんでした。

その時でさえ、私は携帯電話のためでなく、iPodのためにヘッドフォンを持ち歩いていました。

それを根本的に変えたのは、エンターテイメントと電気通信を統合させたiPhoneの発表でした。

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私が携帯電話の3.5mmジャックでヘッドフォンを使用し始めたのが最近であるとしたら、ワイヤレスの聴覚機器に関する私の歴史はずっと遡ることになります。

1990年代、ヨーロッパで技術企業とみなされたい企業は携帯電話を製造していました。シーメンス、ボッシュ、アルカテル、サジェム、フィリップス、ノキア、エリクソンなど、ほんの数年間、すべてGSMモデルで競争していました。

私はスウェーデンのルンドのエリクソンでバイヤーを訪れたことを覚えています。その時、彼は美しい飾りのついた木製の箱を引き出しから取り出し、携帯電話用の最初のワイヤレス・ヘッドセットを見せてくれました。

 

これは、Bluetoothと呼ばれるエリクソンが新たに開発した技術により実現されました(940~986年頃まで即位したデンマーク王で、Bluetoothの異名を持つハーラル・ブロタンにちなんで名付けられました)。

私は、これまで携帯電話で複数のBluetoothヘッドセットを使用してきましたが(HS850など)、本当に快適に感じたことはないと告白しなければなりません。

バッテリーの寿命が十分であることが決してなく、品質に関して大して考えたことなかったですし、移動中に失うことも数年間でたびたびありました。

 

私には、ヘッドセットに対するあきらめの気持ちがありましたが、ワイヤレス・ヘッドセットの将来性に関しては常に楽観的であり、使わなくなったヘッドセットも現役のヘッドセットもたくさん持っています。

家では、テレビを見ている時に、耳に掛けたSennheiserヘッドセットを使用して一定の距離まで歩き回ったり(たとえば、冷蔵庫やビール棚まで)、家族のメンバーに対して、お父さんは今会話したくない(「ごめんね、聞こえなかった……ヘッドフォンをオンしているんだ!」)という視覚的なメッセージを送ることもできます。

モバイルの用途として、私のPlantronicsヘッドセットは私が選んだ武器ですが、唯一あきらめていることは2つのイヤホンをつなぐリボンケーブルであり、これは時間が経つにつれてイライラの原因になっています。

 

私は、ワイヤレスのヘッドセットが携帯電話用のヘッドセットとして本当に置き代わるには、主に4つの課題を克服しなければならないと考えています。

まず、音質が向上すること、そして価格が低下しなければなりません。次にバッテリーの寿命を延ばす必要があります。

最後に、コンパクトで快適でなければなりません。

 

オン・セミコンダクターは、補聴器製品における業界のリーダーの1人です。表彰を受けた当社のAudiology DSP製品は、ハイエンドのオーディオアプリケーションで新たな場所を見つけつつあります。

これら製品ファミリーと当社のバッテリー充電および管理製品、超低ノイズLDOリニアレギュレータ、低電圧PMIC、およびスイッチを組み合わせれば、オン・セミコンダクターは満足できる手頃な価格のワイヤレス・ヘッドセットという課題の克服に必要なものをほぼすべて持っていることになります。

では、ワイヤレス・ヘッドセットの時代は本当に始まったのでしょうか? 3.5mmジャックの時代は終わりに近づいているのでしょうか?
2つのワイヤレスの耳栓の概念は素晴らしいのでしょうか?

 

それとも私の妻が言うように、私が次の出張で失うものの数が2倍に増えただけでしょうか?

出典:『ワイヤレス・ヘッドセット時代の到来か、これほど時間がかかった理由は?』オン・セミコンダクター


アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。