ロボットシステムを販売する商社①丸文 伝承難しい技術を自動化
丸文はレーザによる肉盛や焼入れを行う産業用ロボットシステムを提供しており、そのロボットシステムを導入されたモノづくりのお客さまから高い評価を頂いております。その丸文に、システムを導入する利点などをインタビューしました。
Q.ターゲットはどのような作業をされるお客さまが多いですか?
1つ目に、金型に補修やコーティングをされているお客さまです。継続使用により劣化・損傷する金型に対して、その損傷部分をレーザで肉盛溶接します。コーティングでは、金属の耐摩耗性と耐腐食性の向上を目的に使用されます。
2つ目に、鉄鋼のシャフトやロール形状の軸物への補修とコーティングです。金型同様に損傷部や耐摩耗性・耐腐食性の向上を目的に用いられます。
3つ目に、エンジン部品や摺動部品への焼入れをされるお客さまです。耐摩耗性向上を目的にレーザによる焼入れを行います。
Q.レーザのロボットシステム導入の利点は?
補修やコーティング、焼入れは技術の伝承が大変難しく、伝承が難しいといわれるアーク溶接などと比べても難しいといわれております。その技術の伝承がレーザを使うことでできることが利点です。
現在、モノづくりの現場で補修やコーティング、焼入れを行っている会社は、50代や60代の熟練工の方が多いです。そのため技術の伝承が急務のため、レーザシステムが適合するお客さまが多いと認識しております。
また、ロボット導入前は、人が半分以上は作業に関わっているため、不良品が避けられなかったり、納期の不安定が生じてしまいます。ロボットシステム導入で、生産効率UPだけでなく、3Kの回避やロボット化で若い人材を募集しやすくなるのも利点です。
Q.さまざまなレーザの中で半導体レーザを使用される訳は?
他のレーザと比べて効率が良いことです。つまり同じ電力に対して仕事量が多いということです。また、弊社はレーザライン社の半導体レーザを用いておりますが、高出力半導体レーザの中では世界シェアがナンバー1の実績がございますので、安心してお客さまには使っていただいております。
Q.お客さまが丸文を選ばれる訳は?
レーザを販売する商社が多い中で、弊社はお客さまの用途に合わせてトータルコーディネートを提案できます。
というのも弊社は、レーザを日本に初めて輸入した会社としての確固たる実績およびサービス部門があり、またアプリケーションに特化した取り組みにより、金属パウダーなど材料の選定や加工技術の提案、レーザのパラメータ設定なども行えます。さらに、商社機能を最大限生かし、世界中のネットワークを活用し常に最新技術の動向を調査し、お客さまに配信・提案しております。
よって、お客さまはメーカーに問い合わせる手間が省けるということです。さらに、導入前にテストをしっかり行うことで、納入後のお客さまが生産効率をUPできるようにいたします。
これらにより、他にない独自のご提案ができることが、弊社を選んでいただいている一番の理由だと思います。
Q.加工機ではなく産業用ロボットを主に使用される訳は?
3軸や5軸のNC加工機では、大きなものになると機械自体が大変高額になりますが、産業用ロボットだと安く抑えることができます。
また、加工機では加工ヘッドの姿勢の範囲が限られているのでお客さまの1部の製品しか加工できないのに対し、ロボットは自由度がかなり大きいのでお客さまの大部分の製品を加工できます。
ただ、弱点としてはロボットは加工機に比べて軌跡精度が良くないので、製品の1部分だけを精度よく肉盛りしたいお客さまには加工機を勧めるようにしております。
Q.安川電機製のロボットを使われる訳は?
日本製でサポートが充実しているので、勧めやすいです。
また、弊社はSI(システムインテグレータ)として信頼あるマツモト機械さまとタイアップしておりますが、そのマツモト機械さまが安川ロボットに精通しているからです。
さらにラインアップも充実しているため、用途に応じてロボットを選択することができ、特にその中で海外メーカーと勝負できる高軌跡精度のロボットがあるので、レーザのロボットとなると安川電機製という選択になります。
Q.ロボットのティーチングソフトは富士ロボットのソフトを勧められる訳は?
何より、弊社のロボットシステムを導入されたお客さまから好評だからです。お客さまやSIにヒアリングすると、他のソフトではパソコン上ではうまく動くが現場では使えない、と皆さまいわれます。
それに対し、富士ロボットのソフトは『ズレを補正する機能』『簡単な操作』など、現場で使うことを目的にして使われております。
さらに、お客さまの製品が複雑であったり、少量多品種ですと、普通はティーチングの問題でロボット化が難しいのですが、複雑になればなるほど工数削減や納期短縮になるので、自信をもってお客さまにお勧めしております。