ポカヨケ実施上の心構え

ポカヨケ実施上の心構え

<ポカヨケ実施上の心構え>

1.常に問題意識、改善意識を持ち、現状の問題点をつかむ。

仕事のやりにくい点、紛らわしい点、ミスを起こしやすい点はないか、という意識で自職場の仕事を見つめる。

2.ポカミスは注意だけでは解決できないことを認識する。

「作業者のミスは注意力不足である」と決め付けない。

「人間はミスをする動物である」と考え、ミスをカバーする具体的改善施策をうつ。

3.不良の発生を当然と考えないで、100%良品を作るために挑戦する。

仕事が忙しいから、また製品、部品の種類が多いからという理由で、不良が発生しても仕方がないと考えずに、不良の絶滅に挑戦する。

<ポカヨケ改善の着眼点>

1.動作の楽な作業にする。

「見にくい」「つかみにくい」「動きにくい」「疲れやすい」等の作業はポカミスを起こす原因になる。

色分けをして見やすくしたり、治工具・製品を持ちやすい形状にして、動作の楽な作業にする。

2.技能・勘の不要な作業にする。

高度な技能や熟練・勘・コツの必要な作業は、治具化・機械化し、新入社員・応援者等の不慣れな人でも間違いなく作業ができるようにする。

3.感覚に頼らない作業にする。

目・耳・感触などの人間の感覚に頼った作業は、最もミスを起こしやすい。

これらを少なくするための治具化・機械化を行う。

*実践・現場の管理と改善講座「ポカヨケ」・名古屋QS研究会編・日本規格協会刊行より抜粋


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。