ブラマヨ小杉「ヒーハー」使えない?カルビーが商標登録していた 【知財ニ...

ブラマヨ小杉「ヒーハー」使えない?カルビーが商標登録していた 【知財ニュース拾い読み】

Jcastニュース – 2017/2/1 – http://www.j-cast.com/2017/02/01289565.html

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記事では、お笑いコンビ「ブラックマヨネーズ」の小杉さんの持ちネタ「ヒーハー」が、菓子メーカーのカルビーの登録商標と同じであることを伝えています。

また、小杉さんの相方・吉田さんの「(ヒーハーを)言うたんびに金払わなあかんのやったら、お前すぐ破産する」というコメントと、カルビーの「小杉さんがヒーハーという名称で菓子などを販売しないかぎり、ライセンス料などを請求することはありません」というコメントについても紹介されています。

法律(商標法)上も、小杉さんが「ヒーハー」と叫んでいるだけでは、カルビーの商標権を侵害することはないと考えられ、その点からもカルビーの見解と同様、ライセンス料を支払う必要はありません。

 

具体的に説明しますと、まず、小杉さんがネタとして「ヒーハー」と叫ぶ行為は、何らかの商品・役務(サービス)の出所を表示するものではありませんので、そもそも商標としての使用に該当しません。このため、商標権の効力がおよばず、商標権の侵害にはなりません。

よって、小杉さんは、カルビーの商標権を気にすることなく、「ヒーハー」と叫ぶことができます。

また、商標権の効力は、その「登録商標」だけではなく、「登録商標」と「指定商品(指定役務)」が結びつくことで発生します。

 

「指定」とは、商標登録出願の際に「この商品・役務」に使うと宣言したものという意味です。つまり、登録商標については、どの商品・役務について使うものかが全て指定されています。

そして、商標権の効力がおよぶ範囲は、指定商品(指定役務)と同一・類似の商品(役務)についての、登録商標と同一・類似の商標の使用までと定められています。

逆に考えれば、商品(役務)と商標のどちらかでも似ていなければ、商標権の侵害にはなりません。

 

カルビーの登録商標「ヒーハー」(登録番号5386470号)は、指定商品が、「菓子、パン、アイスクリームのもと、シャーベットのもと、穀物の加工品、即席菓子のもと」となっています。

このため、小杉さんが「ヒーハー」という商標を付したアイスクリームの販売を始められるのであれば、予めカルビーさんに商標の使用の許諾をお願いしたほうがいいでしょう。

 

出典:『ブラマヨ小杉「ヒーハー」使えない?カルビーが商標登録していた 【知財ニュース拾い読み】』(『発明plus〔旧:開発NEXT〕)


弁理士。コスモス国際特許商標事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。知的財産権の取得業務だけでなく知的財産権を活用した製品作りの商品開発コンサルタントを行う。知財マッチングを展開し、ものづくり企業の地方創世の救世主として活躍している。著書に『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)、『理系のための特許法』(中央経済社)等がある。 特許・商標の活用を応援するWEBマガジン「発明plus Web」( https://hatsumei-plus.jp/ )を運営している。