バーコード印刷の種類と特長

バーコード印刷の種類と特長

フィルムマスター

バーコード印刷の品質は、印刷方式、印刷条件、製版条件によって著しく変化する。

したがって、精度の高いバーコードを印刷するためには、印刷方式に適したフィルムマスター(製版)を作成し、厳格な管理の元で印刷しなければならない。

印刷されたバーの幅は、元のフィルムマスターと同じであることが望ましが、実際は、太くなる傾向がある。

 

そこでこのバーの太りを予想し、フィルムマスターを予め補正して作成することがある。

オフセット印刷

オフセット印刷は、平版印刷で、最も一般的な印刷方法としてカタログ等の印刷に利用されている。

オフセット印刷は、画像の再現性が良く、線の太りや細りが少ないなどの優れた特性があり、バーコード印刷にてきしている。

紙箱や包装紙等のJANの印刷に多く利用されている。

 

オフセット印刷の場合、その高い印刷精度からフィルムマスターの補正は必要としない。

グラビア印刷

オフセット印刷が紙の印刷を主とするのに対し、グラビア印刷は、紙、フィルム、アルミ箔等、様々な媒体に利用され、特にビニール袋に多く利用されている。

オフセット印刷に比べ版代が高くなるが、高速印刷することがでるので大量印刷が容易である。

グラビア印刷は、バーコードシンボルを細かなドットに分解して印刷しているために、バー幅を小さくし過ぎるとエッジが目立って読取率が低下するので、高密度シンボルには適さない。

フレキソ印刷

フレキソ印刷は、版材に樹脂版を使用した凸版印刷で、樹脂版であるために印刷コストが低く、段ボール印刷に多く利用されている。

フレキソ印刷は、グラビア印刷と同様に製版条件や印刷条件によって著しく印刷品質が変化する。

グラビア印刷の場合は、一度条件を決めてしまえば比較的安定した印刷物が得られるが、フレキソ印刷は、安定性という点で問題が多い。

 

これは、使用する版材が柔らかいこと、被印刷物である段ボールの状態により印刷の圧力が変化すること、印刷面が平面でないこと、紙質が粗悪であることの理由による。

スクリーン印刷

スクリーン印刷は、シルク印刷とも言い、スクリーンの版をインクが透過することによって印刷する孔版印刷である。

スクリーン印刷は、成形ボトル等の曲面印刷が主流である。

スクリーン印刷もやはり製版条件、感光膜の厚さ、インキの粘土等により、印字品質が著しく変化する。

 

したがって、フィルムマスターの作成には、詳細な印刷条件とその印刷結果のデータが必要である。

シールラベル印刷

シールラベル印刷は、オフセット印刷で行うこともあるが、亜鉛凸版や樹脂版で行うのが一般的である。

何れも印字品質が安定しており、オフセット印刷と同様にバー幅の補正を考慮する必要はほとんどない。

ごくまれに亜鉛凸版の場合、製版時のサンドエッチにより実際の画像より若干細めに仕上がることがあるので、このときは、バー幅を太めに補正する。

 

樹脂凸版の場合は、逆に太めに仕上がることがあるので、バー幅は細めに補正する。

提供:アイニックス株式会社


アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。