バリバリの中国ローカル工場!(その3)
今回はバリバリの中国系企業その3です。前々回までに切断工程までレポートしました。今回は、その後の熱処理工程からお話します。
3. 熱処理
熱処理は、焼入れと焼き戻しの2工程があります。通常焼き入れは連続炉で、焼き戻しはバッチ炉で処理をしています。熱処理は、その温度や時間はノウハウに属する部類のものです。それは、熱処理でこの製品の機械的特性が左右されるからです。
ここで見直しが必要だったのは、熱処理作業の確実性を高めることと、その確実さを確認できることです。
・作業の確実性
ここの温度や時間で製品の特性が決まると言いましたが、逆に言えば要求されている特性によって、それらを変えることもあるということです。ここには特性と処理条件を記したものがありませんでした。作業者の頭の中にありました。
それではダメです。間違いが起こります。一覧表の作成を指示しました。もちろんノウハウにつながるこの一覧表を関係者以外に見せる必要はありません。
・確実性の確認
これは何か問題があったときに、熱処理に問題があったのか、なかったのかを確認できるようにすることです。
熱処理は、非常に危ない工程です。←製品特性から見ての話です。
ですから、確実に設定どおりの条件で行われていたことを確認できる必要があります。
→温度のチャート記録を残すように指導しました。
4. 外径研磨
工程を正確に記すと、外径研磨-バレル-外径研磨2-バレル2となります。
1回目が粗く、2回目で精度を出すようにしています。最近の軸の公差は、お客様からの要求が非常に厳しいです。2回目で製品の公差に入れるので、2回目が特に重要となります。
ここは常に、外径の仕上がり具合をモニターしながら生産していることになります。この研磨の工程で、特に改善指導することはありませんでした。
5. バレル
バレルの作業は、ワークとメディアで行われますが、バレル機からの取り出しに大抵水を使うので、床は水浸しとなります。切断の工程と比較すると、作業環境自体は問題ありませんでした。
バレルの管理は、おおよそのバレルを掛ける時間と製品の出来栄えで調節をするようにしているのが一般的だと思います。ここもそのように管理していました。
6. 検査
最終の出荷検査の前に、全数の外観検査を行っています。
その外観検査は、20名くらいの作業者がやっていたのですが、我々が見に行くとそれまでおしゃべりをしていたのが、急に一生懸命作業を行うようなありさまでした。
先ずは、作業者の教育からですし、それよりも前にその工程の管理者の教育が必要でした。
3回に渡ってバリバリの中国企業をレポートしました。かなり厳しく書きました。でも、この会社伸びています。では、また次回をお楽しみに。