トロリーコンベアの廃止
<部品の自動供給>
組立作業には多くの素人が投入される。
そのような素人に、多くの部品の中から該当部品を選び出して組付作業をさせることは難しい。
そこでトロリーコンベアで必要な部品を供給することにより、組立作業者は送られてきた部品をただ組付すればいいだけで、誤組付は解消できた。
<問題点>
トロリーコンベアに部品を載せる人が、誤部品を載せた場合、そのまま組立てられてしまう。
なぜなら、組立作業者には部品に対する感性がゼロのため、誤品発見の防波堤にはならないからだ。
<ポカヨケの導入>
ポカヨケを導入して、素人でも部品を選択することができるようになった。
組立作業者は、ただ組立作業をするだけでなく、ポカヨケの助けを借りて、多くの部品から該当部品を選ぶ行為をすることにより、部品種類に対する感性がつくようになる(いわゆる自律神経がつく)。
この部品選別は繰り返し作業により、自然に感性が身につくものである。
これにより何百人、何千人という作業者それぞれに部品選別の感性がつくことによって、そのそれぞれが誤品組付の防波堤になることができる。
人間が何も考えず、だだ作業だけするのはよくない。
人間には感知し、考え、判断する能力があるので、ポカヨケさえ設置してあげれば、それを十分発揮させることができる。
人間は、ただ作業だけやらされていたら、単調さに耐えられないが、感知し、考え、判断することをすればその単調さが打破できる。
<部品搬入>
上記により、ライン側へ直接、すべての部品を搬入することとなり、単一の方法に絞ることができるようになった(トロリーコンベアのある場合は、直接納入もあった)。
トロリーコンベアの設備も撤去でき、他の生産設備へその空間を譲ることができた。
さらにトロリーコンベアへの部品搭載要員がいらなくなった。
P.S.
トヨタ本社工場には昭和60年ぐらいまでトロリーコンベアがあった。
私がここの生産管理の仕事に就いてすぐに廃止された。
結局、「自律神経のある現場にする」という理由で廃止されたと思う。
しかし、最近、ある大手電機メーカーへ見学に行ったら、このトロリーコンベアがあった。