トヨタ生産方式での機械加工の改善着手順序|元トヨタマンの目
トヨタ生産方式においては「流れを作る」ということが、不可欠の条件である。
「流れを作る」とは「ライン化する」ということだ。
①工程を「等量化」するとともに「同期化」する(工程待ちを排除する)
②各工程の間を「1個流れ」の流れ作業方式にする
しかし「1個流れ」ということになると、運搬回数が著しく増加してしまう。
その対策として、レイアウトを改善して工程が連続する機械と機械を近接させれば運搬しなくてよくなる。
しかし、機械を近接させれないこともあるので、そのような場合は、機械間をコンベアやシューター等でつなぐような工数のかからない便利な運搬手段を考案する。
③機械の「機種別配置」を「工程系列配置」へ転換する
同じ種類や性能の機械のみをまとめて配置する、いわゆる「機種別配置」はだめで、製品の加工系列に対応する「工程系列配置」を採用する。
④段取時間を圧倒的に短縮する(シングル段取10分未満→ワンタッチ段取1分未満)
ライン化すると一連の機械の段取りを同時に行なわなければならなくなる。
段取専門チームに事前にできることはすべてやらしておいて、機械を止めなければならない時間を最少にする。
⑤品質の飛躍的向上ができる
製品が1個ずつ機械間を流れるようになると、それぞれの機械にポカヨケを工夫することができるようになる。
それにより自主検査、順次点検が人に頼らなくてできるようになり、不良が自動的に表面化してくる。
そうすればすぐに加工作業を中止させ、不良を作り続けることを防止できる。