トヨタの目標設定の考え方|元トヨタマンの目

トヨタの目標設定の考え方|元トヨタマンの目

トヨタ式問題解決手法での「目標設定」の考え方は次の通りだ。

 

1.目標は必要性からズバリと決める

  • できるかできないかの可能性を先に考えるのではなく、必要性からズバリと目標を決めて、そのあとで可能性を考える。
  • また、他社・他部署と同類の目標(不良率・災害率など)は、Aクラスをならう。達成してBクラスという目標はだめだ。
  • 大事なことは、高い目標を掲げてその目標達成のために、何をしなければならないかを真剣に考え、知恵を振り絞ることだ。

2.表現は具体的に分かりやすく

  • 目標は誰でも分かる分かりやすいもので、できるだけ具体的に、数量的に表現する。
  • そのためには「何を」「いつまでに」「どれだけ」といった条件を明らかにすることが必要だ。
  • 定量化できるものを、定性的な表現にとどめないことはもちろん、スタッフ部門で具体的に表現しにくい場合でも、できるだけ定量化した方がよい。たとえば、教育の目標でも「80%の人がOK(=効果があった)と言えばよい」といった決め方でもよい。

3.上位方針を確認

  • 組織、職場には必ず「方針」がある。
    部長方針→目標→実施事項
    課長方針→目標→実施事項
    これらをしっかり理解しておくこと、そして上司と十分話し合い、これらを十分理解、確認して目標設定を行なうことが必要だ。

 

私には「目標設定の仕方」については、トヨタで教えてもらった上記の考え方しか頭にない。

この考え方から、鳩山首相の25%削減の目標設定を見てみると、「地球がもう危機的な状況にきている。なにがなんでもやらねばならぬ」という政治家としての判断から、必要性を踏まえてズバリと目標設定していると思う。

トップリーダーである鳩山首相はこの段階では、達成の可能性などまったく考えなくていい。

あとは実施者である日本国民全員が、その目標達成のために何をしなければならないかを真剣に考え、知恵を振り絞らなければならない。

そしてもし達成できなければ、達成できるまで何年かかろうが絶対にあきらめずに努力し続けるのだ。

マスコミでは、「もし達成できなければ、日本の国際信用に傷が付く。そうなっては大変だから達成可能な低い目標にしておくべきだ」という論調が目立つ。

 

日本国民全員が、この問題を真剣に受け止め、高い目標に向かって知恵を振り絞って一生懸命努力しても、残念ながら期日までに目標達成できないとしよう。

その時、どの外国人が「日本は目標を達成できなかったから信用がおけない」と考えるだろうか。

「目標は確かに達成できなかったが、日本国民全員が本当に一生懸命努力していた。そのまじめさはたいしたものだ。日本人はやはり信用がおける連中だ」ということにはならないだろうか。

 

ある国に長期に滞在したが、ゴミの分別は家庭も企業もまったくしていなかった。

空気、川、海、どこも非常に汚かった。

個人のレベルにまで環境意識がまったく行き届いていないのだ。

このような国は政治家は目標設定すらしない。

実際に汗を流すべき国民が、汗をながすどころか、環境意識すらないわけだ。

しかしどこの国も結構同じようなものらしい。

このような人達には、日本国民が態度で、実績でガツンと示してやるしかない。

 

ということで、個人として考えられる方策を考えてみた(できるかどうかは別だが)。

1.自家用車は持たない

タクシーやレンタカーを利用した方がよっぽど安上がりだし、レンタカーだといろいろな種類の車に乗れて結構楽しい。

自動車の普及の増加に比例して、糖尿病も増加しているそうだ。車がなければ、よく歩くようになり健康になれる。一石二鳥だ。

 

2.屋根でソーラー発電をする

以前、見積もりをとってみたが、ちょうど省エネ補助が打ち切られた時で、採算が合わなかったのでやめた。

これからは補助が厚くなりそうなので、余裕資金さえあれば、長い目で見れば損はしないであろう。

 

3.冷暖房

温暖化により夏の高温は半端ではないので冷房をやめたら死んでしまう。

しかし寒い分には、服を着ればよい。

冬は家の中でもダウンなどを着ていれば暖房費など少なくてすむ。

それに温暖化で、愛知県ぐらいなら冬はそんなに寒くない。

 

私は学生時代、山岳サークルだったのでテントの中で長期間暮らした。

テントに比べれば、家はパラダイスだ。

冬、家にいる時、「テントに比べればここはパラダイスだ!」と自分に言い聞かせれば、ストーブなどボンボンたかなくても耐えられる気がする。

しかし自分だけならいいが、家族もいるのであまり無茶はできないなあ。


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。