トヨタの品質検査
トヨタは全ての工程で全数検査を行って、良品だけを後工程に流す。
全数検査をするといっても、工数をかけていては他社とのコスト競争に勝てない。
どうしているかというと、定期的にあんどんが点灯して、作業者を呼び検査させるのだ。
作業者が検査して、もし不良品が見つかったとする。
一回前の検査では、良品だったのだから、その検査後のどこからか不良品が発生し出したのだ。
作業者はその発生の初品を見つけ出すため、ライン上の製品を1つ1つ後の方へ調べていく。
そして初品が発見されたら、不良品をすべてラインから排除し手直しをするか廃却する。
こうすれば、抜取検査と同じ工数で、全数検査をしたことになる。
こうやってトヨタ品質は確保されるのだ。
しかしこのようなことが可能なのは、トヨタの製造ラインがすべて1個流しになっていて、不要な在庫は1つもないため、さかのぼっての調査が容易にできるからだ。
21世紀の現在でも、大企業なのにロット生産をしている工場を多く見たが、このような工場で不良が発生したら在庫だらけで、どこが不良の初品かを調べることは非常に大変になる。
結局、不良品が流出してしまうことになる。
品質向上に王道はない。
このような会社も、1個流しから地道に着手していくしかない。
このような会社も広い意味でトヨタと競争している。
早くなんとかしないと大変なことになる。