トヨタの一般会社にない機能|元トヨタマンの目
1.人事部……技能員調整機能
トヨタは1ヶ月に1回生産量変動させる。
トヨタのすべての工程は生産が増えれば多くの要員を必要とし、逆に生産が減れば少ない要員で運営できるようにしてある。
したがって、毎月、各工程別に現状の人員より要員が必要になったり、いらなくなったりする。
人事部がその調整をする。
部品メーカーからも余剰人員を受け入れている。
2.販売部……生産制約を考慮した生産依頼
ある月の月末には、翌月1ヶ月間の生産数量を色物やオプションに至るまですべて決めて工場へ生産依頼しなければならない。
そしてすべての車両の生産をその1ヶ月間は日当り同じにして、すべての工程、部品メーカーへ「内示数」というかたちで示す。
そしてその月の生産活動が始まって、お客様からのオーダーが入って来るのだが、やはり「内示数」と「確定数」の乖離が生じる。
種類の変更は3%程度まで受け入れられるが、要員数の変更を伴うような量の増産は絶対にできず、結局来月回しとなる。
(さらに月の中間で種類変更を受け付ける「旬の計画変更」のルールもあるが、極端な変更はできない)
トヨタ生産方式はこのような販売部門の協力の上に成り立っている。
一般の会社の販売部は、トヨタほどの生産制約はないと思う。
そうなると、工場に在庫増などの多くの不効率を発生させてしまうし、生産リードタイムも遅くなる。