トヨタで教えられた先達の教訓23.24.25.26|元トヨタマンの目
23.批評する力はあるが実行する力がない(豊田喜一郎氏)
一般に日本の技術者は、机上の技術者が多い。
海外の知識は相当取り入れているものの、いざこれを実行するとなると自信を失い、他人の非難を恐れて断行する力に欠ける。
すなはち、批評する力はあるが実行する力がない。
こういう技術者では自動車はできぬ。
24.よい品(しな)よい考(かんがえ)
(解説)
昭和28年に会社代表標語として選定され、トヨタの工場のいたるところに掲げられた。
創意工夫を徹底的に行なえということ。
創意工夫提案制度は昭和26年から開始。
25.国産にこだわる(石田退三氏)
自動車工業界も、昨年(昭和27年)の外車進出問題がさらに具体化して、外車の国内組立てからさらに国産化へと発展し、ここに外車陣営に走るものと、国産車陣営に踏みとどまるものとの二つにはっきりと分かれてきた。
当社は創業以来の方針である国産車確立の道を選び、あえてイバラの道を切り開いていく決心である。
26.国産車にこだわった結果(豊田英二氏)
外車と提携したメーカーの中には、当初はノックダウンだから品質も良く、儲けもしたが、結局独自の技術ではないため、現在では良くない結果になっているものもある。
結局、力がないのに借り物でやると後で困ってしまう。
技術導入は次の技術導入を生み、創造性は出てこない。
トヨタとしてはクラウンを独自で手がけた(昭和30年)ことが良い結果を生んだと思っている。