トヨタで教えられた先達の教訓22<トヨタ創業の決意>|元トヨタマンの目

トヨタで教えられた先達の教訓22<トヨタ創業の決意>|元トヨタマンの目

22.トヨタ創業の決意(豊田喜一郎氏)

先考(ちち)之を辞に遺し、吾等之を実践し自動車工業の生誕を看る。
偶々皇国未曾有の非常時に際会し、吾等の使命日に重く、茲(ここ)に国策に順応して工場を挙母地方に設け、一大自動車工業を確立せんとす。
又、目を平時に転ぜよ、国家経済の動脈たり。
人は任務に生くべし、
小我を捨てて大我につけ、
任務を怠りて己を滅し、
任務を全ふして己を発揚す、
各自受持ちの任務に満腔の誠を致せ、
集まりて偉大の力を生ず、
連鎖も一環の集まりなり、
一個人の不注意を以って、
全工場の努力を空しうす、
一本のピンも其の働きは国家に繋(つな)がる、
各自の業務に無駄あるべからず。

(解説)
トヨタ自動車の創立記念日は11月3日である。
それは昭和13年11月3日に挙母工場が始動されたからだ。
その時、豊田喜一郎氏はこの一文を神前に捧げた。

 

元トヨタマンの目
トヨタ生産コンサルティング株式会社


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。