トヨタで教えられた先達の教訓17.18.19.20.21|元トヨタマン...

トヨタで教えられた先達の教訓17.18.19.20.21|元トヨタマンの目

17.実地最優先・現場主義・論より実践(豊田喜一郎氏)
父とあることについて議論し、私の方が勝った。すなわち、「実行してみる価値なし」と判断した。
その時、「とにかくやってみよ」と言われたので、やむをえずやってみた。
それが私の予想を裏切って良い成績を示したことがあり、これからもう議論を先にすることをやめた。

 

18.お前は何もせずに工場に立っておれ(豊田喜一郎氏)

(解説)
入社したばかりの斉藤尚一氏に、仕事を覚える一番の早道を教えてこう言った。

 

19.技術者は実地が基本(豊田喜一郎氏)
一日中一度も手を洗うことなくして、食事をなし得る技術者では、日本工業の再建は覚束ないであろう。

(解説)
昭和22年5月の創業以来の累計生産10万台を祝った式典での挨拶

 

20.手を汚さんで仕事ができるか(豊田喜一郎氏)

(解説)
ある日、工場をまわっていた喜一郎氏は、一台の研削盤の前に足を止めた。
「とうもうまくいきません」と首をかしげる作業者。
喜一郎氏はいきなりワイシャツの袖をまくって、油の中に手を突っ込み、どろどろの油カスをつかみ出すと、ピシャッと床に投げつけ一喝した。

 

21.誠実さのこもった良い車に言葉はいらない(豊田喜一郎氏)
車の良し悪しというものはカタログだけではいけない。
ユーザーはこの車は良いということは肌で感じている。
はったりでは駄目です、本当に物が良くなくては。
そのためには、発売までによくテストし、よく乗って自信を持って出さなくてはいけない。
言葉の違う世界のどの国へ行っても、誠実さのこもった良い車は無言のうちにユーザーが認めてくれます。

 

元トヨタマンの目
トヨタ生産コンサルティング株式会社


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。